ボルジョミからタクシーで30〜40分ほど走ると、標高1700mの高原リゾート、バクリアニに着く。トリアレティ山脈の北斜面に位置し、周囲をコーカサスモミなどの針葉樹林に囲まれた町だが、訪れた2026年8月は大規模な工事の最中だった。
到着日はメインの通りを軽く歩き、近くのAmirani’s Parkにも入った。森の中で森林浴をすると、工事中の町なかとは違う静けさがあった。道路はメイン通りを含めてでこぼこしている場所が多く、歩きやすいとはいえない。翌日は市内全体の風景を見ようと、Bibis shaurmaでシャワルマを食べてから、反時計回りにメイン道路を回ることにした。少し価格は高めだったが、肉はとてもジューシーで美味しかった。スタッフも、ここまで来るアジア人があまりいないからか、親切に接してくれた。店内は黄色い壁と赤紫色の座席が印象に残り、落ち着いて食事ができた。

食後はバクリアニ循環線道路を進んだ。途中には乗馬教室やバギーの搭乗場所があり、馬車が道路脇に停まっている一方、近くの囲いでは何頭もの馬が過ごしていた。スキーなどができる冬がバクリアニのシーズンだが、夏にもこうしたアクティビティがあり、歩くだけでなく別の楽しみ方もできるのだと思う。標高が1700mはあるため空気が澄み、涼しくて歩いていて気持ちがよかった。工事中の区間が多く、歩きにくいところもあったが、整備が終われば散歩はかなりしやすくなりそうだ。循環線の西側には、草原の中に家がぽつぽつと立ち並んでいた。



バクリアニ駅
町を回り切った後はバクリアニ駅まで足を延ばした。ボルジョミ〜バクリアニ間を結ぶ狭軌鉄道「ククシュカ」は1902年に開通し、ロマノフ家の依頼で、エッフェル塔の設計者として知られるギュスターヴ・エッフェルが橋梁部分を設計した鉄道でもある。2020年から運休が続いていたが、ジョージア政府は2026年に全線と車両の全面改修を発表し、2027年1月の運行再開を目指している。2026年4月には全面復旧が発表されたそうだが、今回の滞在中は利用できなかった。駅舎はまだ整備中で、複数の人が工事をしていた。列車のいない線路は少し寂しく見えたものの、再開後には再び人の集まる場所になるのだろうと思った。


ディドヴェリ山へ
次の日は、バクリアニ南側のディドヴェリ山へ向かった。バスで行くつもりだったが、ここでも大規模工事の影響で公共交通機関が機能していなかったため、徒歩を選んだ。往復でせいぜい10kmなので、距離としては大したことがない。山道を登って施設にたどり着くと、ジョージア国旗などが掲げられていた。バクリアニのスキーエリアはディドヴェリとコフタ/コフタ・ミタルビの二つに分かれており、ディドヴェリのリフト最高到達点は標高2702mに達する。3段階目の山頂まで行けるカード型チケットは40ラリで、券面のデザインもスキーやスノーボードを描いたものだった。





山頂からの眺め
山頂から下を眺めると、貯水池やバクリアニの街並みが見えた。山頂にはゴンドラ稼働用の建物のほか、小屋がひとつ、休憩用のベンチなどがあるだけの簡素な場所だったが、遮るもののない眺めは素晴らしい。建物の近くにはジョージア国旗が掲げられ、白いフレームも設置されていた。フレーム越しに山並みと街を入れて、記念写真を撮るのに向いている場所だと思う。



山頂の散策
さらに山頂を歩くと、小高い丘と透き通った青空が広がっていた。遠くへ進むにつれて、池のようなものも見えてくる。長時間滞在したわけではないが、標高2700mの場所を散策するのは久しぶりで面白かった。夏だからか少し蠅が多かったので、秋などに少し暖かい服装で訪れるほうがよいのかもしれない。草原には目立った遮蔽物がなく、空と山の広がりをそのまま感じられた。


下山
帰りは再び黄色いゴンドラに乗って下った。途中には「Didveli Toboggan」というジェットコースターのような施設があったが、今回は誰も乗っていなかった。割と面白いようなので、次に機会があれば試してみたい。ゴンドラからは貯水池もきれいに見え、山頂の散策と合わせて充実した気分でホテルへ戻った。


