昨日はペトレ遺跡への旅で少し疲れたため、この日は無理をせず、ボルジョミ周辺を軽く歩いて回ることにした。要塞や教会、温泉、博物館を続けて訪ねてみると、水の街という印象だけでは収まらない、歴史と文化の多い場所だと分かった。
まずは腹ごしらえにCafe Touristへ入り、オジャフリを頼んだ。ボルジョミ周辺はそれほど店が多くなく、価格が高めの店も多いが、ここは比較的リーズナブルな価格でいろいろなジョージア料理を食べられるレストランだった。テーブルには、肉とじゃがいもを焼いたオジャフリが盛られ、刻んだ香草も添えられていた。注文していないツケマリのソースを付け合わせに持ってこられた点は少し気になったものの、酸味のあるソースはオジャフリとの相性がとてもよく、結果的にはそのままいただいた。

食後に向かったのはゴギア要塞である。要塞へは東側の山道から行く道と、西側の住宅街から向かう道がある。最初は東側から試したが、少し虫が多く、滑りにくい靴でないと上りにくそうな道だったので、途中で引き返して西側へ回った。こちらは坂道を上っていくだけで、メイン道路から数分ほど歩くと、緑色の矢印とともに「Ancient Monument」と記載された看板が見えてくる。住宅の並ぶ道から山側へ入っていくため、最初から道が分かりやすいとは言いにくいが、この看板を見つけられれば進む方向は判断できた。

ゴギア要塞は14世紀以前に築かれたとされ、遅くとも16世紀の史料には登場する。かつてボルジョミ周辺を支配したアヴァリシュヴィリ公の居城であり、渓谷を通る道を守る要衝として、ペトレ要塞とも連携していたという。敵の接近を狼煙で互いに知らせ合っていたとされ、1828年の対トルコ戦争では、40名のジョージア民兵がこの要塞を守り抜いた記録も残っている。右折してなだらかな道を少し歩くと、草地の先に石造りの要塞跡が現れた。規模は大きくないが、案内板と残った壁から、かつてこの谷を見張っていた場所であることが伝わる。

要塞の周囲からは、山に囲まれたボルジョミの街を広く見渡せた。赤い屋根の住宅や道路が谷沿いに連なり、その向こうには森林に覆われた山々が重なっている。青空と雲、斜面の緑、街の建物が一緒に見える景色はかなり印象に残った。東側の道を引き返したり、西側から坂を上ったりする手間はあったものの、歩行距離や労力に対して得られる眺めはとてもよい。要塞そのものよりも、そこからの景色を目的に訪れる人にも向いていると思う。

景色に満足した後は、ボルジョミに来てから毎日通っていたBridge of Beautyを見ながら、メラブ・コスタバ公園を散歩した。橋は川に架かる吊り橋で、川沿いの遊歩道から見ると、山の緑と水の流れを背景に白い構造が伸びている。公園内には本の形をしたモニュメントも置かれていた。バトゥミでも本の形をしたものを見かけたので、同じようなモニュメントが各地にあるのかもしれない。メラブ・コスタバ公園は市民の憩いの場になっており、訪れた時も大体いつも混雑していた。ただ、木陰が多く、暑さを遮ってくれたのは助かった。



そこからはタクシーで聖セラフィム・サロフ聖堂へ向かった。配車アプリでは4.7ラリだったが、運転手から「それでは少ない」と言われ、現金で5ラリをくれないかと求められた。すでにアプリで決済しており、手元に現金もなかったため、残念ながら無理だと伝えて諦めてもらった。聖堂に着くと、思っていた以上に車が止まっていて、観光客も多かった。入口の黒い鉄製の門構えは立派で、門を抜けた先には、周囲をきれいにガーデニングした小さな教会が森の中に建っていた。聖セラフィム・サロフ聖堂は2007年に建立された、ジョージアで最初の聖セラフィム・サロフを祀る教会である。地元住民タマズ・クルタニゼが、白い衣の老人を3度幻視し、その人物が後に聖セラフィムだと判明したことが、教会を再建する場所と祀る聖人が示されたきっかけになったという。












こうしてボルジョミの観光を終えたが、思っていたより見どころが多く、水の素晴らしさだけでなく、文化や歴史も豊富な街だった。人々も親切で温かい人が多く、特にホテルの宿の方にはお世話になった。今回だけでは回れなかった場所もあるため、季節を少し変えて再訪したいと思う。