ブラン城
ドラキュラ伯爵ゆかりの地として知られるブラン城へ向かった。近隣の町ブラショフからバスを利用し、40分ほどで到着する。1377年、ハンガリー王ルドヴィク1世の勅許によりトランシルヴァニアのザクセン人が築城を開始し、1388年に完成した城で、トランシルヴァニアとワラキアを結ぶ山道を見張り、オスマン帝国への防衛と関税徴収を担ったという。ヴラド・ツェペシュ(串刺し公)がこの城を所有・統治した記録は無いが、1462年にハンガリー王マーチャーシュ・コルヴィヌスに捕らえられた際、2ヶ月間この城に幽閉されたという言い伝えが残る。
城は想像よりも小規模だったが、内部は歴史の重みを感じさせる造りである。展示室には木製や鉄製の拷問器具が並べられており、かつての厳格な様子が伝わってきた。

また、城内には伝説上の伯爵を彷彿とさせる衣装も展示されており、展示室の空間には当時の武骨な雰囲気が漂っていた。

世界的には恐怖の対象として語られることの多いドラキュラ伯爵だが、ルーマニアにおいては敵を追い返した英雄として英雄視されている。視点が変われば評価も正反対になるという現実に、興味深さを覚えた。

城を望む丘
広場からは城の姿を見渡すことができ、その眺望は格別だった。

木製の十字架が立てられた丘の頂上付近からは、城と周辺の街並みが一望できる。往復には少し歩数を要したが、その価値は十分にある景観だった。

歴史に対する二面的な見方に触れつつ、城を見守る丘からの眺めも楽しめる場所である。歴史や伝説に関心がある人には、訪れる価値があるだろう。