2019年5月下旬、ヨルダンのWadi Rum villageをあとにして、イスラエル側のエイラットへ向かった。短い滞在だったが、国境越えの緊張感と、海辺の街で数日過ごす気楽さの両方が印象に残っている。
最初に向かったのはYitzhak Rabin Border Terminalだった。旧称はArava Crossingで、1994年のイスラエル・ヨルダン平和条約締結に際して開設された両国間で最初の陸路国境検問所である。エイラット市街から北へ約3km、ヨルダン側のWadi Araba Crossingに隣接しており、2002年に当時のイスラエル首相ラビンを記念して現在の名称に改称された。イスラエルと敵対的な国のスタンプがパスポートにあると時間が掛かるという話は聞いていたが、私の場合はレバノンのスタンプがあったからか、通過まで合計で2時間程度かかった。日陰はあるものの、炎天下の屋外で待つ必要があり、取調室に入ってからは、なぜレバノンへ行ったのかなどを質問された。旅の順番など私の不注意もあるかもしれないが、ここまで時間が掛かると評価は下げざるを得ない。一方で、陸路でヨルダンからイスラエルへ渡るという意味では、よい経験になったとも思う。写真に写る検問所は、広い道路とヤシの木の向こうにあり、国境らしい緊張感と南国の景観が同居していた。

国境を抜けたころには少し曇りはじめ、歩きやすくなっていた。市内まではせいぜい5kmなので、私はそのまま歩いていくことにした。幹線道路は市街地までほぼ一直線に伸びていて、途中に特別な見どころがあるわけではない。ただ、ラウンドアバウトの中にはハート形の装飾を置いたものもあり、単調な道の中で目に留まった。ホテルにチェックインしてからは、国境でのやり取りとそこからの散歩で少し疲れていたため、しばらく休憩した。エイラットは観光地として見どころが多いというより、海がきれいで、生活に必要なものがそろっている都市という印象である。Azrieli Mall Hayamのような大きめのモールもあり、滞在中に一休みする場所として使いやすかった。宿泊先のホテルでは友達もでき、同じような生活を2日ほど続けながら、数日間の滞在としては満足して過ごせた。

夕方にはHananya Beach付近へ出て、港とビーチを見て回った。海沿いの舗装された広場にはヤシの木が並び、藁でできたパラソルや椅子が整然と置かれていた。砂地のビーチには白いラウンジチェアが重ねられ、海を眺めながら過ごせる場所として整えられている。周辺にはホテルや施設が建ち並び、海辺でありながら雑然とした感じは少なかった。ヨルダン側のアカバと比較すると、やはり少しだけ上品な雰囲気があった。港の一角ではヨットやフェリーが水面に並び、海沿いの街らしい眺めをつくっている。派手な「KAMIKAZE」と書かれたモニュメントのようなものもあり、落ち着いた海辺の景観の中ではかなり目立っていた。短時間の散歩でも、ビーチ、港、ホテル街が近い範囲にまとまっていることが分かり、滞在中に歩きやすい場所だった。








