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道東湖沼めぐり(摩周湖・屈斜路湖・釧路湿原など)

カテゴリ:自然・湖沼訪問時期:2023年9月9月の気候: 14.8〜20.6℃ / 降水 145.5mm(雨9.4日)関連スポット:神の子池摩周第1展望台砂湯津別峠 展望施設ボッケ(阿寒湖畔)釧路市湿原展望台コッタロ湿原展望台細岡ビジターズラウンジ細岡展望台
道東湖沼めぐり(摩周湖・屈斜路湖・釧路湿原など)
津別峠から望む屈斜路湖

北海道の海の幸や自然を体験したいと思い、友人と北海道東側を回る旅行計画を立てた。短い日程で効率よく移動するため、女満別空港でレンタカーを借り、2023年9月に湖と湿原を巡った。

神の子池

最初に向かったのは神の子池だった。雨が少し降っていて曇天のため周囲は非常に暗かったが、その中でも池の透き通った青色ははっきり判別できた。木々に囲まれた小さな池の水面には沈んだ倒木も見え、暗い森の中で青だけが浮かび上がるような景観が神秘的だった。神の子池は、摩周湖の伏流水からできたという言い伝えから名付けられた池で、摩周湖のアイヌ語「カムイトー」は神の湖を意味する。周囲は220m、水深は5mと小さいが、1日あたり約12000トンもの伏流水が湧き出しているという。年間を通して水温は8℃前後と低く、そのため沈んだ倒木が腐らずに残っている。2017年には阿寒摩周国立公園に編入された。案内板と木製の柵越しに眺める池は、雨の日ならではの静けさもあった。

神の子池の青い水面
神の子池の青い水面

摩周湖・砂湯

川湯温泉の近くのホテルに泊まり、温泉を満喫してぐっすり眠った翌朝、早めに目指したのが摩周湖だった。その日の霧はそこまで深くなく、展望場所の石碑に刻まれた「摩周湖」の文字もはっきり見えた。高台から湖を見渡すと、湖面の一部には霧がかかっていたものの、水面をよく見ると非常に透き通っており、小さなカムイシュ島も確認できた。霧に覆われた部分と、光を受けて見える湖面が一緒になった景色からは、北海道の大自然を感じた。摩周湖は約7000年前の大噴火によって形成されたカルデラ湖で、世界屈指の透明度を誇る。流入・流出する河川がないのに水位がほぼ一定に保たれているのは、周辺に神の子池のような伏流水が湧き出しているためとされる。「霧の摩周湖」と呼ばれるほど濃霧が発生しやすく、今回は湖とカムイシュ島を見られたことが印象に残った。カムイシュ島には、孫を探し続けた末に島になったという老婆のアイヌ伝説も残っている。

摩周湖の石碑と湖
摩周湖の石碑と湖

同じ摩周湖を別の角度から見ると、霧が湖面を横長に覆い、島だけが濃い色の輪郭として浮かんでいた。晴れた湖を全面的に見る景色とは違い、見える範囲が限られることで湖の大きさを想像するような眺めだった。水面には雲の切れ間から光が落ち、霧の向こう側にも湖が続いていることが分かる。霧の濃さによって印象が大きく変わる場所なので、訪れる時間や天候で見える景色が変わるのだと思う。

霧に包まれた摩周湖
霧に包まれた摩周湖

摩周湖から道を下り、屈斜路湖の方へ向かって到着したのが砂湯だった。湖畔の砂浜で、砂を掘ると温泉が湧き出すという独特の場所である。湖の水面を目の前にしながら温泉が出る環境は珍しく、全国的にもあまりない景観だと思った。案内の木製看板の向こうには屈斜路湖が広がり、湖岸にはボートも見えていた。屈斜路湖は約3万年前に形成された日本最大のカルデラ湖で、砂湯はその湖畔にある。冬にはシベリアから飛来したオオハクチョウの越冬地としても知られているため、季節によって湖畔の雰囲気も変わりそうだ。

屈斜路湖畔の砂湯
屈斜路湖畔の砂湯

津別峠・屈斜路湖

屈斜路湖をそのまま時計回りに回り、西側から津別峠を登っていくと展望施設が見えてきた。

津別峠の展望施設
津別峠の展望施設

高い場所にある展望施設からは、湖の中央にある中島と、周囲を取り囲む山々が一つの視界に収まった。湖面は広く、青空と雲を背景にした中島の形もはっきり見て取れた。屈斜路湖は周囲を美幌峠・津別峠・藻琴峠の3つの峠に囲まれている。津別峠展望台は標高947mで、3つの峠の中でもっとも高い位置にある。6〜10月の早朝には、ほかの峠が雲の中に入ってしまうような日でも、上から雲海を見渡せることで知られている。今回は雲海ではなかったが、眼下の湖と中島を見下ろす風景は格別だった。

津別峠から望む屈斜路湖
津別峠から望む屈斜路湖

津別峠では、展望施設だけでなく、青空を背景にした「津別峠」の石碑も印象に残った。大きな石に刻まれた文字の背後には山と湖が広がり、場所を記録する目印としても風景の一部になっていた。展望台から見える屈斜路湖は、湖面の青と山の緑の境目が明瞭で、峠を登ってきた分だけ視界が開ける感覚があった。湖を周囲から眺めるだけでなく、高所から全体の形を見渡せる点が津別峠の良さだと思う。

津別峠の石碑
津別峠の石碑

阿寒湖・釧路市湿原展望台

次に向かったのは阿寒湖だった。摩周湖とは異なり、この日は霧がなく、きれいな水面を十分に眺めることができた。湖畔の木々の間から見る水面には細かな波が立ち、対岸の山や湖上の島が落ち着いた輪郭で見えていた。阿寒湖は数十万年前からの火山活動によって形成されたカルデラ湖である。湖畔には「ボッケ」と呼ばれる泥火山があり、アイヌ語で「煮え立つ」を意味する。地下から熱い泥が火山ガスとともに噴き出す様子を間近に見られる場所だという。今回は湖の水面を中心に眺めたが、同じ湖畔に火山活動の痕跡があることを知ると、景色の見え方も少し変わった。

阿寒湖の湖畔
阿寒湖の湖畔

阿寒湖の後は少し長めのドライブをして、茶色のドーム型をした釧路市湿原展望台に到着した。独特の外観を持つ建物は、木々と緑の斜面の中で目に入りやすく、湖とは違う目的地に来たことを感じさせた。釧路湿原は釧路市・標茶町・鶴居村・釧路町の4市町村にまたがる日本最大の湿原で、1980年に日本初のラムサール条約登録湿地となり、1987年には湿原単体として初めて国立公園に指定された。展望台から見えたのは、青空と横長い雲、その下に一面に広がる湿原だった。広い平地が遠くまで続く景色は、切り取れば絵画のように見えた。湖のように水面へ視線が集中する場所ではなく、湿原全体の広がりを感じる展望だった。

釧路市湿原展望台の外観
釧路市湿原展望台の外観

釧路市湿原展望台からは、木々の向こうに広がる湿原と、その中を流れる水の筋も見えた。手前には緑の樹木があり、奥に進むにつれて湿原の色が淡くなり、さらに遠くには平らな地形が続いている。空の青さと雲の白さが湿原の広さを際立たせ、同じ湿原でも場所によって見える表情が違うことが分かった。大きな湿地を一望し、釧路湿原が複数の市町村にまたがる広大な場所だということを実感できた。

釧路湿原の広がり
釧路湿原の広がり

コッタロ湿原展望台

その次は、釧路湿原国立公園内の標茶町側にあるコッタロ湿原展望台へ向かった。展望台では雲一つない空の下、晴れ晴れとした湿原の風景を楽しめた。木々の間から見える湿原には水の流れが入り込み、遠くの丘や広い草地へ続いている。コッタロ湿原展望台は、蛇行するコッタロ川を望む景勝地として知られている。大きな湿原の中に曲がりくねった川が走ることで、単に平らな景色を見るだけでなく、湿原の中の地形や水の動きにも目が向いた。

コッタロ湿原の展望風景
コッタロ湿原の展望風景

展望台の入口には、木の外壁を持つ建物と「コッタロ展望台」と記された石の案内があった。周囲には木々があり、建物自体も湿原の景観から大きく浮かない落ち着いた造りだった。コッタロ湿原は釧路湿原国立公園の標茶町側にあり、蛇行するコッタロ川を眺める場所として知られている。晴れた日に訪れたことで、木立の向こうに広がる湿原の明るい色合いを確認できた。

コッタロ展望台の案内石
コッタロ展望台の案内石

細岡ビジターズラウンジ・細岡展望台

その後は少し小腹が空いたため、細岡ビジターズラウンジへ向かった。ここではバニラと葡萄の大きなソフトクリームを楽しんだ。2色のクリームが重なったソフトクリームは見た目にも存在感があり、湿原を巡る途中の休憩になった。ラウンジでは写真展示や軽食を楽しめる。展示された写真やポストカードのようなものが並ぶ室内でソフトクリームを食べる時間は、展望地を歩き続けた後の気分転換としてちょうどよかった。

バニラと葡萄のソフト
バニラと葡萄のソフト

細岡ビジターズラウンジ付近の細岡展望台では、夕日を満喫した。細岡展望台は釧路湿原国立公園内の釧路町側にあり、蛇行する釧路川と広大な湿原を一望できる「大観望」の別名を持つ。天候が良ければ雌阿寒岳・雄阿寒岳も望め、夕日の名所としても知られている。この日は湿原の向こうに太陽が傾き、空と地面の色が少しずつ変わっていく景色を眺められた。昼間のコッタロ湿原とは違い、夕方の細岡では湿原の広さが静かな印象に変わっていた。湖と湿原を巡った一日の最後に見る風景として、よく記憶に残っている。

細岡展望台の夕日
細岡展望台の夕日

ホテルへ向かう途中、道の駅 厚岸グルメパークで牡蠣を食べようと思っていたが、残念ながら店はすでに閉まっていた。そのため道中のコンビニで北海道らしいものを買い、根室市の風連湖近くのホテルに宿泊した。この日は非常に密度が高く、素晴らしい湖と湿原の数々を十分に満喫できた。短い日程で自然を効率よく巡りたい人には、レンタカーでの移動が向いていると思うし、長い間運転してくれた友人には感謝したい。

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