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道東の旅最終日(カムイワッカ湯の滝・能取岬など)

カテゴリ:自然・花訪問時期:2023年9月9月の気候: 14.5〜20.5℃ / 降水 106mm(雨11.5日)関連スポット:カムイワッカ湯の滝(四の滝)ゴジラ岩能取岬卯原内サンゴ草群落地大曲湖畔園地メルヘンの丘
道東の旅最終日(カムイワッカ湯の滝・能取岬など)
緑色の岩肌を流れる滝

知床のホテルで朝を迎え、道東の旅の終盤にカムイワッカ湯の滝から能取岬、能取湖周辺を巡った。自然の中で体を動かす場所から、食事、花畑、農村風景まで、最後まで印象の異なる景色が続いた。

カムイワッカ湯の滝

最初に向かったカムイワッカ湯の滝は、名前の通り川自体が温泉になっている珍しい場所だった。少し雨が降っていて寒かったものの、水に触れてみるとかなり暖かく、これなら温まりながら登れそうに思えた。滝の一部は温泉成分によって緑色に変色しており、岩肌の色と白く流れ落ちる水の組み合わせが独特だった。一方で、濡れた岩は本当に滑りやすく、足元にはかなり神経を使った。それでも、川の中を少しずつ上っていく体験はスリルがあり、好奇心も満たしてくれる。少し上の方には比較的広い場所があり、温泉のように肩まで浸かれそうなところもあった。晴れていれば、そこでゆっくり過ごしてみたかったと思う。下るときも細心の注意を払い、ケガをせず、お尻を濡らすこともなく戻ることができた。カムイワッカはアイヌ語で「神の水」を意味し、硫黄山を源流とする川全体が天然温泉になっているという。2005年の世界遺産登録後は落石や転落事故のリスクから規制が強化され、現在は入渓口から100m先の一の滝までが立ち入りの範囲で、一の滝の湯温は約30度。さらに上流や、より高温になる四の滝付近まで沢を登るには、7〜9月限定のガイドツアーへの申し込みが必要とされている。訪れるなら、滑りやすい場所であることを前提にした装備が必要だと感じた。

緑色の岩肌を流れる滝
緑色の岩肌を流れる滝

入口にはカムイワッカ湯の滝の案内板があり、森の緑に囲まれた先へ川が続いていることが分かる。雨を含んだ岩と木々の多い環境も、この場所の険しさをよく表していた。

森の中の案内板
森の中の案内板

川の中には浅い流れや小さな段差が連続し、実際に足場を選びながら進む必要があった。水面には湯気が漂い、周囲の緑に包まれた沢を歩く感覚は、通常の滝見物とはかなり違っていた。

温泉の沢を上る道
温泉の沢を上る道

ゴジラ岩・鮭いくら丼

街の方へ戻ると、ウトロ港近くのゴジラ岩が見慣れた姿で迎えてくれた。道路沿いの建物や空き地の向こうに大きな岩が立ち、角度によってゴジラの横顔のように見えるという名前にも納得する。街からだけでなくフェリーからも見られる、ウトロのシンボルのような存在だ。高さ15mの奇岩で、約700万〜250万年前の火山活動によってできたとされ、オロンコ岩、三角岩と並ぶウトロ港の象徴のひとつでもある。昼食時だったので、近くの圓子水産で鮭いくら丼を注文した。鮭といくらが盛られた丼はご飯がどんどん進むおいしさで、店内にはお客さんもたくさんいた。景色だけでなく、知床らしい食事で一息つけたのもよかった。

ウトロのゴジラ岩
ウトロのゴジラ岩

鮭いくら丼は、鮭の身といくらが分けて盛られ、味噌汁と漬物が添えられていた。丼の彩りも鮮やかで、昼食として満足感のある一杯だった。

鮭いくら丼の昼食
鮭いくら丼の昼食

能取岬

お腹を満たした後は知床を離れ、網走市の方へ向かった。到着した能取岬では、白と黒のスタイリッシュな展望台、そして岬に立つ灯台が目に入った。周囲は広い草地で、曇り空の下に海が広がり、開けた景色を眺めることができた。能取岬の白黒の八角形灯台は1917年、つまり大正6年に初点灯したもので、フランス人技師の影響を受けたデザインとされる。岬一帯は市営美岬牧場になっており、牛馬が放牧されるのどかな風景と断崖絶壁の対比が特徴という。西には能取湖、東には知床連山を望める場所だが、この日は天候の影響もあり、景色は落ち着いた表情だった。

能取岬の草地と灯台
能取岬の草地と灯台

灯台は白黒の帯状の外観で、平屋の建物の上からまっすぐ空へ伸びていた。岬の広い草地の中に立つ姿は目立つが、周囲の静かな海岸風景にもよくなじんでいた。

白黒八角形の灯台
白黒八角形の灯台

卯原内サンゴ草群落地

続いて能取湖を時計回りに進み、卯原内サンゴ草群落地へ向かった。サンゴ草は写真で見ると少し薄暗い印象だったが、実際に目にするとかなり色が鮮やかで、赤みのある群落が水辺に広がっていた。私自身、サンゴ草を見たのは初めてだったと思うので新鮮だった。正式名はアッケシソウという塩生植物で、能取湖南岸の卯原内地区には約4haにわたって日本最大級の群落が広がる。例年8月下旬から9月下旬に赤く色づき、環境省レッドリストにも掲載される貴重な植物だという。一時は生育不良によって最盛期の1割以下まで縮小したものの、地域ぐるみの再生活動によって現在は8割以上まで回復している。木道の脇に赤い色が続く景色からは、その規模と季節ならではの存在感が伝わってきた。

サンゴ草群落の案内標
サンゴ草群落の案内標

木道の先には、赤茶色のサンゴ草が水路のような水面を挟みながら広がっていた。遠くまで一面に同じ色が続く一方、ところどころ水が入り込み、湿地らしい景観になっていた。

能取湖畔の赤い群落
能取湖畔の赤い群落

大曲湖畔園地(コスモスの小径)

網走市内へ戻る途中には大曲湖畔園地にも立ち寄った。コスモスの小径という名前の通り、ピンク、白、赤紫など様々な色のコスモスが並び、花の間に歩ける小径ができていた。先ほどのサンゴ草が落ち着いた赤の美しさだったのに対し、こちらには花の形や色からくるかわいらしさがあり、その対比が面白かった。大曲湖畔園地は旧網走刑務所の農場跡地を再整備した、敷地80haの観光農園で、ひまわりの二期作とコスモス畑が名物だという。ひまわりは7月上旬〜中旬と9月下旬〜10月上旬に咲き、最大約260万本になることもあり、秋にはひまわりとコスモスを同時に楽しめるそうだ。このときはコスモスが主役で、広い花畑の中を歩く時間を楽しんだ。

コスモス畑の案内看板
コスモス畑の案内看板

花畑の中央には土の道がまっすぐ伸び、両側をコスモスが埋めていた。曇り空でも花の色は明るく、遠くの山や木々を背景に、道そのものが小径らしい雰囲気をつくっていた。

花に囲まれた小径
花に囲まれた小径

めまんべつメルヘンの丘

この日は網走市内のホテルに泊まり、翌日の最終日にはめまんべつメルヘンの丘へ向かった。木や草、花だけでなく、周辺の建物自体の色調もメルヘンチックに感じられ、あたり一帯が確かに「メルヘンの丘」と呼ばれることにうなずけた。緩やかな丘の上に立つ7本のカラマツがランドマークになっている畑作地帯で、1990年公開の黒澤明監督作品『夢』のロケ地になったことから有名になった場所でもある。国道39号沿いにあり、季節ごとに麦畑や馬鈴薯畑の色彩が変わるという。私が訪れたのは早朝で、広い畑と並んだ木々を静かに眺めることができた。季節や時間帯によって見える姿が大きく変わるようなので、次は別の表情も見てみたいと思う。

めまんべつの案内看板
めまんべつの案内看板

丘の向こうには緑の畑が広がり、遠くに並ぶカラマツと建物が視界に収まっていた。案内板には季節ごとの風景も示されており、同じ場所でも時期によって色合いが変わることが想像できた。

丘に並ぶカラマツ
丘に並ぶカラマツ

こうして2023年9月の北海道の旅は終了した。道東をいろいろと回り、素晴らしい自然と文化、食べ物を堪能できたので、次回は装備を整えて羅臼岳に登ったり、知床のさらに奥へ行ったりすることも検討したい。

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