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知床峠・オロンコ岩・クルーズ・知床五湖めぐり

カテゴリ:自然・国立公園訪問時期:2023年9月9月の気候: 14.5〜21.5℃ / 降水 151.8mm(雨12.8日)関連スポット:知床峠展望台オロンコ岩知床観光船おーろら乗船場知床五湖
知床峠・オロンコ岩・クルーズ・知床五湖めぐり
知床峠の石碑と羅臼岳

2023年9月、羅臼で過ごした一日は、朝早くから知床の景観をめぐった。前日に鮭いくら丼を食べた知床食堂で、朝食に鹿肉丼を注文したところ、臭みがなく柔らかくてとてもおいしかった。朝のスタートとしては最高の一杯だった。

知床食堂の鹿肉丼
知床食堂の鹿肉丼

知床峠

この日最初に向かったのは知床峠展望台だった。標高738m、羅臼町と斜里町の境界に位置し、根室振興局とオホーツク総合振興局の境界でもある知床峠は、知床横断道路、国道334号の最高地点にあたる。展望台からは雄大な羅臼岳を望むことができ、雲が山頂付近にかかりながらも、緑の斜面が大きく広がる景観は素晴らしかった。知床八景のひとつで、天候が良ければ羅臼岳だけでなく国後島まで見渡せるという。積雪が非常に多いため、通行できるのは例年4月下旬から10月下旬までで、北海道内の国道で唯一、冬季通行止めになる区間としても知られている。

展望台には知床峠の石碑や知床国立公園の案内があり、周囲には低い木々が一面に続いていた。反対側には遠くの山並みと海のような水平線も見え、山の上にいることを実感する眺めだった。

知床峠の石碑と羅臼岳
知床峠の石碑と羅臼岳

知床峠には北方領土に関する看板もあり、天候が良ければ国後島を望めるこの峠ならではの掲示だと感じた。

知床峠の北方領土に関する看板
知床峠の北方領土に関する看板

オロンコ岩

知床峠を抜けて向かったのは、ウトロ港の中にあるオロンコ岩だった。高さ約60mの巨岩で、これも知床八景のひとつ。岩に住んでいたとされる先住民のオロッコ族に由来する名前だという。頂上までは170段ほどの急な階段を上る必要があり、実際に少し上るだけでも疲労を感じた。それでも、平坦な頂上から見た海と三角岩の風景には、上ってきた価値があった。オホーツク海、ウトロの町並み、知床連山を360度見渡せる場所で、港の施設や防波堤も眼下に小さく見えた。港の先には三角形の岩が海へ突き出し、穏やかな青い海と周囲の緑に囲まれていた。岩の上から見ることで、港町と海岸の地形をまとめて眺められるのがよかった。

三角岩とウトロ港
三角岩とウトロ港

知床クルーズ(おーろら号)

その後は知床観光船おーろらの「おーろら号」に乗った。知床世界遺産コースは所要約3時間半で、知床の西側を船上からゆっくり見ることができる。200mに及ぶ切り立った断崖や海食洞を海上から眺められる航路で、陸上からとは違う距離感で岩肌を見られた。船からは、岩肌を流れるカムイワッカの滝や、海岸に立つ存在感のある岩など、次々に景色が現れた。おーろら号は日本の国旗を掲げ、知床半島の先端まで進んでから引き返していった。

乗船前の船体は港の青い水面に映り、白い船体に赤と青の線が入っていた。船そのものも、この日の景観めぐりの一部として印象に残っている。

港に停泊するおーろら号
港に停泊するおーろら号

カムイワッカの滝は、硫黄成分を含む水が海へ直接流れ落ちる場所で、船はここを横目に知床半島の先端、知床岬付近まで進んでいく。実際に海から見る滝は、深い緑に覆われた断崖の間を細く流れていた。運が良ければ海岸沿いにヒグマが見られることもあるが、この日は景色を中心に楽しんだ。

断崖を流れるカムイワッカの滝
断崖を流れるカムイワッカの滝

滝の周辺には、垂直に近い岩壁と海面から立ち上がる岩が続いていた。海の青さに対して岩肌の色や植物の緑が濃く、知床半島の荒々しい地形を感じる眺めだった。

海岸に立つ岩と断崖
海岸に立つ岩と断崖

帰りの船からは、遠ざかる海岸線と船の航跡を眺めた。広い海の上に白い波が長く残り、船が半島の先端まで進んできたことを実感した。

船尾に続く海の航跡
船尾に続く海の航跡

知床五湖

クルーズを終えて向かったのが知床五湖だった。五湖には固有の名前がなく、便宜的に一湖から五湖と呼ばれている。散策方法には、全長約800mで一湖畔まで無料で行け、ヒグマの出没に影響されず通年利用できる「高架木道」と、一周約3kmで全湖をめぐれる「地上遊歩道」がある。今回は地上遊歩道に入り、五湖をすべて回った。

入る前には熊対策などの簡単なレクチャーを受けた。その日にクマの目撃情報があったと聞いていたため、少し緊張しながら木道の中へ進んだ。熊にこちらの位置を知らせる「ポイポイ」という掛け声は少し独特だったが、歩きながら声を出すこと自体は楽しかった。9月は植生保護期にあたり、地上遊歩道の利用には10分程度の有料レクチャーが必要になる。一方、5月10日から7月31日までのヒグマ活動期のように、登録引率者同伴のガイドツアーが必須という制限はない。

一湖の案内標識と湖面
一湖の案内標識と湖面

五湖の中でも特に一湖にはスイレンがたくさん浮かんでいた。静かな水面に葉が広がり、周囲の原生林や知床連山が重なって見える。熊を警戒しながら森の中を歩いたため、景色の美しさだけでなく、自然の中に入っている緊張感も強く残った。北海道らしい風景とはこういうものかと思う、広がりのある場所だった。

スイレンが浮かぶ一湖
スイレンが浮かぶ一湖

湖面には空や雲、背後の山々が映り、植物の間に水が静かに広がっていた。山の輪郭が水面に重なることで、湖と原生林が一続きになったように見えた。

湖面に映る知床連山
湖面に映る知床連山

帰りがけの道では、草の向こうに歩行者用の木製デッキが見え、少し安心した。最後に見た知床五湖の看板をバックにした湖ときれいな山々も印象的だった。木道の先に広がる原生林と連山を眺めながら歩けるため、五湖をすべて回る行程にはそれなりの時間と体力が必要だが、歩いてこそ分かる景観だった。

原生林を横切る高架木道
原生林を横切る高架木道

この日は知床近くのホテルに泊まり、翌日は知床五湖の近くにあるカムイワッカの滝へ行くことにした。山、海、湖を一日で続けて楽しみたい人に向いためぐり方だと思う。

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