wanderworld

尖沙咀・中環散策(大館・1881ヘリテージなど)

カテゴリ:都市散策訪問時期:2018年12月12月の気候: 13.4〜20.2℃ / 降水 22.4mm(雨3.6日)関連スポット:油麻地天后廟九龍公園旧九広鉄路鐘楼香港摩天輪大館1881ヘリテージ
尖沙咀・中環散策(大館・1881ヘリテージなど)
港を進むフェリー

深センから香港に入った後、すでに訪れたことのある街ということもあり、今回はまだ歩いていない場所を中心に、急がず市内を散策した。香港は面積が小さいためホテルなどの宿泊費は比較的高い一方、ボリュームのある食事はそれほど高くなく、おいしくリーズナブルに食べられる印象がある。

尖沙咀近くのホテルから歩き始める前に、近くのローカル食堂で鶏肉と中華風野菜炒めの定食を食べた。皿には鶏肉と野菜、山盛りのご飯が盛られ、スープも付いていた。味付けには癖がなく、定食としてかなり絶品だった。中国本土と比べても食べやすい料理が多く、国際都市らしさを感じる。前回来た時より物価は上がっていたが、食事についてはまだ手頃に感じられた。

鶏肉と野菜炒め定食
鶏肉と野菜炒め定食

油麻地天后廟

油麻地天后廟へ向かう道は、尖沙咀周辺の大きな通りとは違い、歴史の残る街並みを眺めながら歩ける。色鮮やかな門や屋根の装飾が建物の間に現れ、周囲の高層住宅との対比も香港らしかった。天后廟は1865年に水上居民が建てた祠が起源で、1874年の台風被害を経て1876年に現在地へ移転し、1890年に本殿が完成したという。本殿で天后、つまり媽祖を祀るほか、観音楼社壇、観音古廟、城隍廟、書院の五つの廟が並ぶ、九龍地区最大規模の天后廟建築群である。

油麻地天后廟門
油麻地天后廟門

境内では赤い柱や緑の瓦、細かな彫刻が目に入り、門の向こうに商店やバスが見える景色も印象に残った。特に石橋の造りは中華らしく、橋のたもとや欄干の装飾を見ながら歩くのが楽しい。街中にありながら境内には木々があり、歴史ある廟と現代の香港の生活が隣り合っていた。

廟内の石橋
廟内の石橋

九龍公園周辺の散策

夕方以降はプロムナードの電灯が点き始め、通りの木々には青や赤、緑の球体状の装飾が吊られていた。光の球体と電飾が歩道の上に連なり、クリスマスの時期らしい雰囲気になっている。九龍公園内の香港漫画星光大道にも立ち寄った。全長約100メートルの遊歩道で、2012年9月27日に開業し、世界初の漫画をテーマにした星光大道とされる場所だ。約30体の香港漫画キャラクターの彩色像と、香港の漫画家10名の銅製の手形が並んでいる。

プロムナード電飾
プロムナード電飾

静かな九龍公園の中に、銃を構えて走る人物のような漫画キャラクターの像が置かれているため、周囲の落ち着いた緑の雰囲気とのギャップが面白かった。メイン通りの近くにあり、目的地として時間をかけるというより、散歩の途中に立ち寄るのにちょうどよい場所だった。

漫画キャラクター像
漫画キャラクター像

尖沙咀の港とペニンシュラ

少し曇っていたものの、久しぶりに見る尖沙咀の港と、対岸に並ぶ高層ビルの風景は感慨深かった。海面には複数の船が行き交い、香港島側の建物が薄い空の下に連なっている。近くのザ・ペニンシュラ香港にはクリスマス用の金色の装飾が施され、重厚なホテルの外観とよく合っていた。1928年12月11日に実業家エリス・カドゥーリーが開業したホテルで、「極東の貴婦人」とも称される。1994年には30階建てのタワー棟が増築され、旧館のコロニアル様式と現代的なタワーが共存している。

尖沙咀港の対岸風景
尖沙咀港の対岸風景
ペニンシュラの金装飾
ペニンシュラの金装飾

旧九広鉄路鐘楼とスターフェリー

翌日は旧九広鉄路鐘楼を見てから、スターフェリーで中環へ向かった。時計を備えた赤れんがと石造りの鐘楼は、青空を背景にすると周囲の現代的な建物の中でも目立っている。これは1915年に完成した九広鉄路の旧尖沙咀駅の一部で、高さは避雷針を含めて約51メートルある。1975年に駅が紅磡へ移転した際、駅舎は取り壊されたが、鐘楼だけは市民の要望で保存され、1990年に香港法定古蹟に指定された。

旧九広鉄路鐘楼
旧九広鉄路鐘楼

スターフェリーは数十円で対岸まで渡ることができ、船上から海の風景と街並みを眺められる。船内の窓越しには埠頭や高層ビルが近くに見え、短い移動でも香港らしい景色を満喫できた。1888年に設立されたカオルーン・フェリー・カンパニーが尖沙咀と中環の間で運航を始めて以来、130年以上にわたって香港島と九龍を結ぶ市民の足として使われているという。香港旅行では欠かせない移動手段だと思う。

港を進むフェリー
港を進むフェリー
船内から見る中環
船内から見る中環
埠頭のスターフェリー
埠頭のスターフェリー

中環の香港摩天輪

中環に着くと、海浜にある香港摩天輪を間近に見ることができた。AIA Vitality公園内にある高さ60メートルの観覧車で、2014年12月に開業し、42基のゴンドラを備えている。1回あたり2〜3周、約15分ほどでヴィクトリア・ハーバーの景色を楽しめるという。今回は乗車せず、地上から大きな車輪と背後の高層ビルを眺めた。広場には鉄製の自転車が四つ向き合うようなモニュメントなど、アーティスティックな展示もあり、国際金融中心や中環街市を通り抜ける途中の散歩として面白かった。

中環の大観覧車
中環の大観覧車
自転車の鉄製展示
自転車の鉄製展示

大館

中環街市などを通り抜けて向かった大館は、旧中央警署、中央裁判司署、ヴィクトリア監獄からなる建築群で、最も古い建物は1841年に遡る。2004年に警察施設としての役目を終えた後、8年の歳月と3.8億香港ドルをかけて修復され、2018年5月に「大館」として一般公開された。訪れたのは公開から半年ほど後にあたる。メインステージにはクリスマスツリーが飾られ、周囲には人の集まる明るい空間ができていたが、監獄跡地の一角は静かで、雰囲気がはっきりと異なっていた。

大館のクリスマス広場
大館のクリスマス広場

監獄跡地の展示では、獄中での思いをつづった詩や、部屋、食事の風景などが紹介されていた。暗い通路の先に光を使った展示があり、当時の収監環境を想像しながら見学できた点が印象に残っている。建物そのものの造りも興味深く、石造りやれんが造りの建物の間を、各階ごとに橋が渡している。中庭から見上げると複数の通路が立体的に重なり、かつての施設を保存しながら新しい使い方へ転換した場所だと感じた。

監獄跡の展示通路
監獄跡の展示通路
獄中の詩の展示
獄中の詩の展示
建物を結ぶ連絡橋
建物を結ぶ連絡橋

汁なしラーメンと1881ヘリテージ

見学を終えた後は宿の方向へ戻りながら、海鮮汁なしラーメンを食べた。香港のラーメンには汁なしのものが多いが、私はこれがかなり好きだ。スープが入っていると熱くて食べにくく、火傷するリスクも高いが、汁なしならすぐに食べられ、素材の旨味もそのまま感じられる気がする。海鮮と麺、青ねぎなどが一皿に盛られた料理で、汁なしラーメンなら毎日食べてもよいと思えるほどだった。

海鮮汁なしラーメン
海鮮汁なしラーメン

対岸へ戻った後は1881ヘリテージの豪華なイルミネーションを見て、今回の香港の旅を終えた。1884年から1996年まで香港水上警察本部として使われていた建物を改修し、2009年にホテルやショッピングモールとして生まれ変わった複合施設で、コロニアル様式の建物と夜間のライトアップが特徴である。クリスマスの飾りで建物全体が明るく浮かび、昼間に見た歴史的な街並みとはまた違う印象だった。

1881の夜景装飾
1881の夜景装飾

尖沙咀付近は移動に便利だが、次回は少し離れた場所で宿泊費を抑え、より長く香港に滞在してみたい。歴史的な建物、港の景色、食事と夜の装飾が近い範囲にまとまり、何度来ても歩く場所を見つけられる街だと思う。

地図を見る
油麻地天后廟
九龍公園
旧九広鉄路鐘楼
香港摩天輪
大館
1881ヘリテージ