National Tourist Information Center
トランシルヴァニアで最も有名な城の一つであるコルヴィネシティロル城を訪れた。デヴァの街からバスで30分強と、アクセスは良好だ。バス停からお城へ向かう道中、印象的な三角形の屋根を持つ観光案内所が目を引く。このフネドアラの観光案内所は、城への道しるべにもなっており、建物自体から感じる良い雰囲気が旅の気分を高めてくれた。

コルヴィネシティロル城
案内所からしばらく歩くと、お城の門が見えてきた。城壁をくりぬいたようなその門構えには、独特の質実剛健さが漂っている。門をくぐり先に進むと、石の台座に渡された木の橋と、その奥にそびえる城の全貌が姿を現す。「中世の城」を体現したようなこの外観は、城好きにはたまらないものがある。チケットを購入して場内に入ると、使いやすい四角形の中庭が広がり、かつてここで様々なイベントが行われていたであろう様子が脳裏をよぎった。場内の広間は白く荘厳で、ただそこにいるだけで時代を遡ったような感覚を覚える。なお、場外から見上げる城の姿は、厚い石壁と尖塔が空に突き出し、堂々とした風格を放っていた。
この城は15世紀、後にハンガリー摂政となるフニャディ・ヤーノシュが、それ以前にあったゴシック様式の砦を大規模に改築して築いたものだという。深い堀と木造の跳ね橋を備えた「いかにも中世の城」らしい佇まいは、後年多くの物語や映画のインスピレーション源にもなってきたそうだ。



また、上層階の窓からは、落ち着いたオレンジ色の屋根が連なる美しい風景を望むことができた。角度を変えて城の外を眺めれば、橋や市街地を一望できる絶景が広がる。当時の人々もこの景色を眺めて暮らしていたのかと思うと、感慨深いものがある。室内の重厚なアーチ天井とシャンデリアは、中世の栄華を今に伝えていた。城全体が歴史の重みを内包しており、ライトアップされた姿や、ドラキュラのモデルであるヴラド・ツェペシュにまつわる伝承など、興味を引く要素も多い。



Pietonala Corvin
見学を終えた後は、市街地のプロムナード「Pietonala Corvin」まで散策に出た。町の中心部らしく、噴水がある広場には市民や観光客があふれ、非常に賑やかで和やかな空間だった。街の景観に溶け込むこの遊歩道を歩きながら、素晴らしい城を巡ることができた最高の一日を振り返った。歴史ある城と活気ある街並みを両方楽しめるルートとして、非常に満足度の高い体験となった。
