クタイシ旧市街の北側にある鎖橋を渡り、川の向こうへ続く道を歩いて、バグラティ大聖堂と植物園を訪れた。大聖堂と庭園を続けて見られるため、歴史と自然の両方を楽しめる一帯だった。
鎖橋を渡った先からは、木々に囲まれた坂道が続いている。橋の周辺には車道や建物も見えるが、道を進むにつれて市街地の喧騒から少し離れた雰囲気になる。市街地からのツアーに含まれることもある場所だが、私は徒歩で向かった。そこから階段を上っていくと大聖堂に着く。段数はそれなりにあるものの、徒歩でもそこまで大変ではなく、いい運動になる程度だった。

階段を上り切ると、クタイシでも屈指の観光名所であるバグラティ大聖堂が現れる。石造りの外観は荘厳で、正面から見ると左手にはエレベーターが設置されているのがわかる。大聖堂は1003年、バグラト3世の治世下に建立された。1691年には、オスマン帝国軍がクタイシ要塞をめぐる攻防の中で聖堂の基礎に火薬を仕掛けて爆破し、ドームが崩落した。その後は3世紀以上にわたり半壊状態のまま放置されていたという。


大聖堂の東側には、クタイシの街を一望できる大きな十字架が立つ場所がある。市街地の家々や建物が広がり、その向こうには山並みも見え、写真撮影には絶好の場所だった。十字架側から大聖堂を振り返ると、光がうまく当たり、ターコイズ色の屋根が綺麗に見えた。入り口付近には大きく立派な木も立っていて、これも古くから大事にされてきた木なのだろうと思った。



バグラティ大聖堂の北側にはクタイシ植物園がある。小規模な植物園だが、入園料は5ラリで、落ち着いた散歩を楽しむことができた。リオニ川右岸に位置し、19世紀前半、1820〜40年代に整備された農園を起源とする。1969年にトビリシ植物園の分園として正式に開園し、約700種の亜熱帯・外来植物を有する、ジョージア国内でも有数の規模の植物園だという。鉄製の門をくぐると、木々の緑に囲まれた園路が続いていた。

少し進んだところでは、ペットボトルのキャップを使って木を表現したアートが目に留まった。これと関係があるのかはわからないが、クタイシにはペットボトルなどを分別回収するコンテナが設けられており、市としての体制が整っていたり、リサイクル意識が高かったりするのかもしれないと思った。少なくとも、トビリシやバトゥミではそうしたコンテナを見たことがなかった。

園内には曲がりくねった小道があり、別の場所には花々を横手に見ながら歩けるまっすぐな道もある。木陰が多く、亜熱帯らしい植物の間をゆっくり歩けるので、観光の合間に気持ちを切り替えるにはよかった。一方で、バトゥミの植物園と比べられる規模ではなく、広大な庭園を期待すると物足りないと思う。



その近くには、馬が何かを引いているようなモニュメントもあり、写真スポットになっていた。さらに少し遠くまで歩くと、恐らく何かに使われるのだろう銅像が、整備途中のように無造作に置かれていた。植物園自体が拡大中のようで、まだ発展途上という印象もある。全体としては小さな庭園だが、バグラティ大聖堂と合わせて散歩するにはちょうどよく、私は年月が経ってからの再訪も考えている。

