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バグラティ大聖堂と植物園

カテゴリ:歴史・庭園訪問時期:2026年7月7月の気候: 19.7〜28.5℃ / 降水 156.4mm(雨17日)関連スポット:Bagrati CathedralKutaisi Botanical GardenCarved Tree Chapel
バグラティ大聖堂と植物園
光を受ける聖堂

クタイシ旧市街の北側にある鎖橋を渡り、川の向こうへ続く道を歩いて、バグラティ大聖堂と植物園を訪れた。大聖堂と庭園を続けて見られるため、歴史と自然の両方を楽しめる一帯だった。

鎖橋を渡った先からは、木々に囲まれた坂道が続いている。橋の周辺には車道や建物も見えるが、道を進むにつれて市街地の喧騒から少し離れた雰囲気になる。市街地からのツアーに含まれることもある場所だが、私は徒歩で向かった。そこから階段を上っていくと大聖堂に着く。段数はそれなりにあるものの、徒歩でもそこまで大変ではなく、いい運動になる程度だった。

鎖橋と川沿いの道
鎖橋と川沿いの道

階段を上り切ると、クタイシでも屈指の観光名所であるバグラティ大聖堂が現れる。石造りの外観は荘厳で、正面から見ると左手にはエレベーターが設置されているのがわかる。大聖堂は1003年、バグラト3世の治世下に建立された。1691年には、オスマン帝国軍がクタイシ要塞をめぐる攻防の中で聖堂の基礎に火薬を仕掛けて爆破し、ドームが崩落した。その後は3世紀以上にわたり半壊状態のまま放置されていたという。

大聖堂へ続く石段
大聖堂へ続く石段
正面から見た大聖堂
正面から見た大聖堂
2001年頃から礼拝が断続的に行われるようになり、現在の大規模な再建工事は2012年9月に完成した。1994年にはゲラティ修道院とともにUNESCO世界遺産に登録されたが、サアカシュヴィリ政権下の再建工事について、建造物の真正性を著しく損なうとUNESCOが判断し、2017年にバグラティ大聖堂のみ登録を抹消された。ゲラティ修道院の登録は維持されている。この経緯は有名で、揶揄されることもあるようだが、地元の人が安心して教会として使いたいのであれば、こうした判断も妥当だったように私は思う。

大聖堂の東側には、クタイシの街を一望できる大きな十字架が立つ場所がある。市街地の家々や建物が広がり、その向こうには山並みも見え、写真撮影には絶好の場所だった。十字架側から大聖堂を振り返ると、光がうまく当たり、ターコイズ色の屋根が綺麗に見えた。入り口付近には大きく立派な木も立っていて、これも古くから大事にされてきた木なのだろうと思った。

街を見下ろす大十字架
街を見下ろす大十字架
大聖堂前の大樹
大聖堂前の大樹
光を受ける聖堂
光を受ける聖堂
滞在中には、実際に結婚式が開かれている場面も一度見た。礼拝のために使われるのはもちろん、結婚式の場にもなっている。1000年以上の歴史を持ちながら、現在も礼拝や人生の節目に使われている、生きた教会なのだと感じた。古い建築を保存するだけでなく、市民の心の支えとして今後も使われていく場所なのだと思う。

バグラティ大聖堂の北側にはクタイシ植物園がある。小規模な植物園だが、入園料は5ラリで、落ち着いた散歩を楽しむことができた。リオニ川右岸に位置し、19世紀前半、1820〜40年代に整備された農園を起源とする。1969年にトビリシ植物園の分園として正式に開園し、約700種の亜熱帯・外来植物を有する、ジョージア国内でも有数の規模の植物園だという。鉄製の門をくぐると、木々の緑に囲まれた園路が続いていた。

植物園の鉄製門
植物園の鉄製門

少し進んだところでは、ペットボトルのキャップを使って木を表現したアートが目に留まった。これと関係があるのかはわからないが、クタイシにはペットボトルなどを分別回収するコンテナが設けられており、市としての体制が整っていたり、リサイクル意識が高かったりするのかもしれないと思った。少なくとも、トビリシやバトゥミではそうしたコンテナを見たことがなかった。

キャップで描いた木
キャップで描いた木

園内には曲がりくねった小道があり、別の場所には花々を横手に見ながら歩けるまっすぐな道もある。木陰が多く、亜熱帯らしい植物の間をゆっくり歩けるので、観光の合間に気持ちを切り替えるにはよかった。一方で、バトゥミの植物園と比べられる規模ではなく、広大な庭園を期待すると物足りないと思う。

木立の中の曲道
木立の中の曲道
花壇沿いの園路
花壇沿いの園路
この植物園の最大の見どころは、Carved Tree Chapelという小さな教会だった。樹齢400年のオークの木の内部に作られており、木の中身をくりぬいた空間に扉が付いていて、開け閉めすることもできる。木の内部の空洞は20世紀半ばに自然にできたもので、長年放置されていたが、2014年1月にジョージア正教会の祝福を受け、礼拝スペースとして整備された。小さな空間だが、内部には宗教画が飾られ、今も地元の人々や観光客に親しまれている祈りの場になっている。
樹木内の小聖堂
樹木内の小聖堂

その近くには、馬が何かを引いているようなモニュメントもあり、写真スポットになっていた。さらに少し遠くまで歩くと、恐らく何かに使われるのだろう銅像が、整備途中のように無造作に置かれていた。植物園自体が拡大中のようで、まだ発展途上という印象もある。全体としては小さな庭園だが、バグラティ大聖堂と合わせて散歩するにはちょうどよく、私は年月が経ってからの再訪も考えている。

馬車を引く馬の像
馬車を引く馬の像
園内に置かれた銅像
園内に置かれた銅像
大聖堂の歴史や現役の教会としての姿を見たい人、広さよりも静かな散歩や木の中の小さな礼拝堂を楽しみたい人に向いた組み合わせだと思う。
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