ニャウンウーからバスでマンダレーに到着した。パガン散策の疲れがまだ残っていたため、最初の数日は市内を軽く歩いたり、カフェ巡りをしたりしながら、気楽に過ごした。疲れが取れてきた頃、ホテルで知り合った方々と意気投合し、丘の上にあるスタウンピー・パゴダへ向かった。
スタウンピー・パゴダ
スタウンピー・パゴダは旧王宮の北、標高230m前後のマンダレー・ヒルの山頂にある。マンダレー・ヒル全体が仏教の聖地とされ、麓から頂上まで仏塔や仏像が点在している。敷地内には、はるか遠くを指さしているように見える黄金の大仏があり、丘の上らしい開けた雰囲気とよく合っていた。

境内には色とりどりの花が供えられた土器も並び、周囲の装飾と相まって鮮やかだった。回廊は柱やアーチまで細かく装飾され、赤や金、青などが組み合わされた空間を歩いていると、単に仏塔を眺めるだけではない面白さがあった。

回廊は奥へ向かってアーチが連続し、光沢のある床に柱や装飾が映っていた。派手さはあるが全体の意匠はまとまっており、歩きながら細部を見ることができる場所だった。

マンダレー・ヒルの展望テラスからは街を見渡すことができ、夕暮れには遠くの建物や緑地が薄い光の中に沈んでいった。頂上から見る景色は素晴らしく、朝日や夕日が特に美しいとされ、地元の人にも欠かせない場所になっているという話にも納得できた。

堂内には白い大仏が祀られていた。周囲の壁や天井は装飾が多く、中央の仏像に光が集まるような印象だった。

坂道をかなり上ったため、到着までにはそれなりに体力を使ったが、日が暮れた後にライトアップされた金色のパゴダは見ごたえがあった。景色、回廊、仏像、夕方から夜にかけての変化をまとめて楽しめたので、マンダレーに来たら訪れたほうがよいスポットだと思う。

マンダレー旧王宮
その後は昼間にマンダレー旧王宮を訪れた。旧王宮は1857年から1859年にかけて、コンバウン王朝第9代ミンドン王のもとで建設されたビルマ最後の王朝の王宮である。敷地は一辺約3kmの正方形で、高さ約8mの城壁と幅70mの堀に囲まれている。第二次世界大戦で建物のほとんどが焼失し、現在の建物は1990年代に再建されたものだという。当時のまま残るのは城壁のみとされるが、金色と赤を基調とした建物が整然と並ぶ姿には、王宮らしい均整が感じられた。

王宮の前には大砲も置かれていた。最近まで見ていたパゴダとは明らかに雰囲気が異なり、宗教施設だけではないマンダレーの歴史を意識させられた。

建物を支える柱も金と赤で統一されており、長い回廊には同じ形の柱が並んでいた。内部では当時の様子を人形などを通じて学ぶことができ、王と王妃を模した人形が並ぶ展示もあった。






アトゥマシー僧院とシュエナンドー僧院
次に訪れたアトゥマシー僧院は、白を基調とした外観が美しかった。名称は「比類なきもの」を意味し、ミンドン王が王室の経典を収めるために建立させた、王の最後の宗教建築物とされる。かつては大きなダイヤモンドを付けた大仏があったが、イギリス軍のマンダレー侵攻時の混乱で失われ、その後火災にも見舞われた。現在の建物は1990年代にコンクリート造で再建されたものだという。

堂内に置かれた台座は金色の豪華な装飾で覆われていた。外観の白さと内部の金色との違いがあり、静かな堂内でも目を引いた。

すぐ近くのシュエナンドー僧院では、黒を基調としたシックな寺院を見た。マンダレー・ヒルの南東の麓にある木造の僧院で、ティーボー王が旧王宮内にあった父ミンドン王ゆかりの建物をこの地へ移築し、瞑想の場として使っていたと伝わる。チーク材をふんだんに用いた外壁や内部には緻密な木彫が施され、コンバウン王朝時代の木造建築として貴重な建物とされている。

内部の台座も見ることができた。白を基調としたアトゥマシー僧院と、黒い木造のシュエナンドー僧院は対照的で、近い場所にありながら雰囲気が大きく違うのが面白かった。

クタウドー・パゴダとサンダムニ・パゴダ
その北側にあるクタウドー・パゴダは、中央の金色の仏塔を白い小堂が囲む構成で、敷地に入るとその規模に圧倒された。1857年にミンドン王によって建立され、中央の黄金の仏塔はパガンのシュエズィーゴン・パゴダを模したものとされる。周囲には729基の白い小堂があり、それぞれにパーリ語の仏典全文を刻んだ石版が1枚ずつ納められている。この石版群は「世界最大の書物」として知られている。

白い小堂が整然と立ち並ぶ様子は、中央の仏塔とはまた違う迫力があった。どこまでも同じ形が続くため、歩いていると数の多さを実感する。

本堂は金色で統一され、祀られた釈迦牟尼仏にも威厳が感じられた。白い小堂の列と金色の本堂との対比も印象に残っている。

クタウドー・パゴダの西側には、黄金のサンダムニ・パゴダがある。敷地内の雰囲気は少し似ているものの、白い小祠はより小さく、より密集しているように見えた。こちらもミンドン王によって建立され、金箔に覆われた仏塔の周囲を1774基もの白い仏塔が囲んでいる。クタウドー・パゴダより仏塔の数が多いことで知られる場所である。


ヤンゴンに戻って
この後はヤンゴンに戻り、数日間休憩するつもりでカフェ巡りなどをして過ごした。

次の目的地ウドンターニーへ向かうためタイに行くことになり、Suleからヤンゴン空港行きのバスに乗った。

ミャンマーは人が優しく、思っていたより旅がしやすい場所だった。治安が時々不安定になることもあるが、安定した時期を見計らって、今後も訪れたいと思う。