wanderworld

新アクロポリス美術館周辺散策(ゼウス神殿・国立庭園など)

カテゴリ:史跡訪問時期:2019年6月6月の気候: 21.8〜31.6℃ / 降水 19.6mm(雨3.6日)関連スポット:新アクロポリス美術館Arch of Hadrianゼウス神殿アテネ国立庭園ザッペイオン
新アクロポリス美術館周辺散策(ゼウス神殿・国立庭園など)
美術館のガラス張り外観

昨日訪れたアクロポリスに関する展示が充実していると聞き、新アクロポリス美術館から見学を始めた。その後、ゼウス神殿、アテネ国立庭園、ザッペイオンを歩き、アテネでの旅をほぼ終える一日になった。

最初に向かった新アクロポリス美術館は、ガラス張りの外観がかなり綺麗で、到着した時点で現代的な建物という印象を受けた。2009年開館で、スイス生まれの建築家ベルナール・チュミの設計によるものだという。建設予定地から考古学的遺跡が見つかったため、遺跡の上にガラス床の展示空間を設けている。入口前からもガラス越しに発掘現場を見下ろせる、大胆な構造になっていた。

美術館のガラス張り外観
美術館のガラス張り外観

館内には、茶色の保存状態が良い銅像や、白い石板に刻まれたレリーフなど、さまざまな展示が並んでいた。

台座に並ぶ二体の人物像
台座に並ぶ二体の人物像
展示室では、人物の姿を表した石のレリーフや、細長い石材に蛇のような曲線が浮き彫りにされた断片なども見ることができた。古代の展示品は壊れたり欠けたりしているものも多いが、残された部分から当時の表現や装飾を想像できる点が興味深かった。
人物を表した石のレリーフ
人物を表した石のレリーフ
蛇文様の石材断片
蛇文様の石材断片
横たわる人物のような彫刻もあり、彩色の跡が残る細かな装飾が目に入った。白い石だけでなく、かつては色が加えられていたことを感じさせる展示もあり、遺跡で見た建物とは違う形で古代の様子に近づける場所だった。
彩色跡のある横臥彫刻
彩色跡のある横臥彫刻

中でもとりわけ目を引いたのは、Erechtheionを支えていた5つの石像だった。本来、エレクテイオンのカリアティードは6体だったが、19世紀に英国のエルギン卿によって1体が持ち去られ、現在は大英博物館にあるという。新アクロポリス美術館では残る5体を保管しており、吹き抜け部分に張り出した特設スペースで間近に見ることができた。5体が並ぶ姿は存在感があり、実物を見られたのはとてもよかった。失われた1体のための空いた席も意図的にそのまま残されているという。

カリアティード五体の展示
カリアティード五体の展示

美術館を後にして向かったのはゼウス神殿で、途中でArch of Hadrianをくぐり抜けた。これは131年頃に完成した高さ18m、幅13.5mの大理石の門で、ローマ皇帝ハドリアヌスの功績を称えるため、当時のアテナイ市民が私財を投じて建設したとされている。ペンテリコン山産の大理石が使われた門は、青空を背景に立つ姿が印象的だった。門の向こうにはアクロポリスの丘も見えていた。

ハドリアヌスの門
ハドリアヌスの門

その先のゼウス神殿、つまりオリュンピア・ゼウス神殿は、現在では中央に柱などが残る状態だった。それでも、広い敷地に立つ柱を眺めていると、かつては非常に大きな神殿だったことがうかがえる。建設は紀元前6世紀に始まったものの、たびたび中断され、完成したのは2世紀、ローマ皇帝ハドリアヌスの時代だった。着工から完成まで、およそ600年を要したことになる。コリント式の柱は最盛期には104本あったとされるが、現存するのは15〜16本のみで、柱の高さは17mに達するという。残った柱の大きさから、失われた建物の規模を想像する場所だった。

ゼウス神殿の残存柱
ゼウス神殿の残存柱

そのあとは北上し、アテネ国立庭園を散歩した。園内では美しい花々を見ることができ、木々がつくる木陰もあった。庭園はとても広く、暑い日でも歩き続けやすい印象で、日々の散歩にちょうどよさそうだった。初代ギリシャ王妃アマリアの発案でつくられた庭園で、1920年代に王立庭園から国立庭園へ改称されたという。園内にはアヒルが飼われている池もあるとのことで、歴史地区を巡る途中に雰囲気を変えて休める場所だと感じた。

紫色の花が咲く庭園
紫色の花が咲く庭園

庭園に隣接するザッペイオンは、黄色い外壁と正面の白い列柱が目立つ建物だった。デンマーク人建築家テオフィル・ハンセンの設計で、1888年に完工した新古典主義様式の建物だという。1896年の第1回近代オリンピックではフェンシング会場として使用された。正面には「ZAPPEION」の文字が掲げられ、左右の濃い緑の木々に挟まれた外観は、庭園の中でも目に留まった。

ザッペイオン正面外観
ザッペイオン正面外観

この日をもってアテネでの旅はほぼ終了したが、昔から見たかった歴史ある場所を存分に見学でき、とても有意義な時間になった。まだ見足りないところがあるので、アテネにはまた再訪したい。

地図を見る