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大阪・関西万博1日満喫記(日本館・大屋根リングなど)

カテゴリ:万博・パビリオン訪問時期:2025年5月5月の気候: 14.7〜23.6℃ / 降水 199.1mm(雨12日)
大阪・関西万博1日満喫記(日本館・大屋根リングなど)
夜の虹と噴水ショー

ジョージアのトビリシへ向かう前に大阪へ立ち寄り、2025年5月の大阪・関西万博を一日かけて見て回った。大阪国際空港発で、中国などを経由し、燃油サーチャージ込みで3万5千円程度という破格の航空券が購入でき、経由地には以前から行きたかったウルムチも含まれていたため、この航路を選んだ。万博前日は会場へのアクセスがよい大阪ドーム付近のホテルに泊まり、本場のたこ焼きを食べ、まだ歩いたことのない街を散歩した。翌朝、ホテルをチェックアウトして大きな荷物を近くのロッカーに預け、身軽な状態で夢洲の会場へ向かった。

2025年大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、大阪市此花区の人工島・夢洲で4月13日から10月13日まで開催された。朝早い時間帯だったが、入口にはすでに多くの人が集まり、「EXPO2025」の看板の下を人の流れが続いていた。万博は予約制で、すぐに入れる場所が決まっている。まず向かったのは日本館だった。

EXPO2025入口の人波
EXPO2025入口の人波

日本館

日本館は敷地面積約1万3000平方メートルで、会場最大のパビリオンだという。円形の2階建てで、高さ約13メートル、円周約250メートル。外から見ると木材を重ねた壁面が印象的で、内外壁には国産スギ材を使った直交集成板(CLT)が560枚使われている。万博終了後は再利用される計画になっているそうだ。入口までの通路では涼しげな霧が噴射されており、暑さへの対策に気を配っていることが分かった。5月でも日差しは強かったので、こうした仕組みはありがたかった。

木材を重ねた日本館
木材を重ねた日本館
霧に包まれる入口通路
霧に包まれる入口通路

館内のテーマは「いのちの循環」。建物と展示内容が一貫してそのコンセプトを貫いているように感じた。特に目に留まったのは、微生物や藻類、生き物を表現したさまざまな姿のハローキティだった。かわいらしい造形ではあるが、私たちの命には循環が不可欠だということを考えさせられる展示でもあった。

藻類を表すハローキティ
藻類を表すハローキティ

天井などから延びる無数のチューブは、微小な藻類を循環させながら培養しているらしい。緑色の線が空間全体を覆うように広がり、照明や反射と合わさって、まるで森林浴をしているようなリラックスした気持ちになった。展示を眺めながら、循環という言葉を説明で読むだけでなく、空間そのものとして体験できる構成だと思った。

藻類を培養するチューブ
藻類を培養するチューブ

日本館では火星の石にも触れることができた。「押さずにそっと触ってください」という指示があり、実際に展示されていた石は非常に薄かった。少し緊張しながら指先でそっと触れたが、地球以外の石に触れたのはこれが初めてだったように思う。この火星隕石は、2000年に日本の南極地域観測隊が発見したもので、重さ約12.7キロ、火星由来の隕石としては世界最大級とされている。

火星の石に触れる指先
火星の石に触れる指先

大屋根リング周辺の散策

日本館を後にすると少し疲れたので、会場のシンボルである大屋根リングの下、通路付近で水分補給をしながら休憩した。大屋根リングは建築家・藤本壮介がデザインした木造建築物で、2025年3月4日には世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定されている。全周約2025メートル、建築面積は61,035.55平方メートルで、スギやヒノキなど約2万7000立方メートルの木材が使われているという。屋上は「スカイウォーク」として自由に周回できる。5月だったから休みながら歩けたが、これが真夏だったらかなり厳しかったと思う。

木材が連なる大屋根の通路
木材が連なる大屋根の通路

散歩がてら周囲を歩き、黒い木々が立ち並ぶモニュメントを見た。枯れた木のような形が芝生の上に並び、明るい空の下でも独特の重さを感じさせる風景だった。その先では、ミッフィーの姿が目立つオランダ館にも立ち寄った。白い外壁の前に置かれたオレンジ色の服のミッフィーが、周囲の乾いた植栽や岩と対照的で、パビリオンの場所を見つける目印にもなっていた。

黒い木々のモニュメント
黒い木々のモニュメント
ミッフィーのオランダ館
ミッフィーのオランダ館

ハンガリー館

予約していなくても入れそうだったハンガリー館にも入った。これは行って正解だった。館内には精細な積層ガラス・アートがあり、ハンガリー民謡の歌詞が複数言語で刻まれている。その奥のドームシアターでは、伝統衣装をまとった歌手が生歌を披露する。歌と光が織りなすパフォーマンスには心を打たれた。最新の技術を前面に出した展示ではないが、各国の伝統や芸術を表現する上では素晴らしい演出だったと思う。ハンガリーには「歌は天国への扉」ということわざがあり、その言葉がそのまま体験になったような構成だった。外観は、細かな短冊状の素材を重ねたような高い壁が青空に向かって伸びており、赤い建物や白い日よけと組み合わさっていた。館内の繊細なガラス作品とは異なる、外から見た建物の力強さも印象に残った。

積層ガラスの植物造形
積層ガラスの植物造形
ハンガリー館の外観
ハンガリー館の外観

少しへき地の方にはガンダムもあり、会場を歩く途中で見に行った。大きな機体が片腕を上げた姿は遠くからでも目立ち、周囲の建物や空の広さと比べることで、さらに大きさが伝わってきた。万博の先端的な展示とは別に、こうした分かりやすい存在があることで、歩き疲れた中でも気分転換になった。

片腕を上げるガンダム
片腕を上げるガンダム

いのちの未来

夕方にはシグネチャーパビリオン「いのちの未来」へ向かった。大阪大学の石黒浩教授がプロデュースするパビリオンで、3つのゾーンから構成されている。ゾーン1では、日本人が古くから自然の「モノ」に魂や命を感じ、大切にしてきた文化を紹介している。私はスマホ型のイヤホンデバイスを通じて、その考え方を学んでいった。赤い空間に「いのちの歩み」と示された展示もあり、身近なものに命を感じてきた文化を、改めて考えるきっかけになった。

いのちの歩みの展示
いのちの歩みの展示

ゾーン2では、アンドロイドと共に暮らす50年後の世界を物語形式で体験する。ロボットと共生する未来を考えるゾーンへ進むと、見慣れた雰囲気の人形などが語りかけてきた。人形やアンドロイドが置かれた場面を見ながら、これからの未来におけるAIやロボットとの共生について考えさせられた。非常に旬な題材であり、内容もよかったと思う。

ロボットと人形の展示
ロボットと人形の展示

null²とアオと夜の虹のパレード

日が暮れると、落合陽一プロデュースの「null²(ヌルヌル)」が昼間とはまた違う、圧倒的な存在感を放っていた。「いのちを磨く」をテーマに、伸縮する鏡素材のミラー膜で外壁全体を覆った「動く建築」で、夜の照明を受けた外観は周囲の暗さの中で大きく浮かび上がっていた。

夜のnull²外観
夜のnull²外観

最後には「アオと夜の虹のパレード」の噴水劇を堪能した。ウォータープラザで毎晩上演される夜の水上ショーで、噴水、照明、レーザー光、プロジェクションマッピング、炎、音楽を組み合わせた演出だった。水面に光が映り、左右に虹が伸びる光景を見ていると、一日の終わりにふさわしい華やかさがあった。

夜の虹と噴水ショー
夜の虹と噴水ショー

5月ごろには大阪万博は失敗だと言われていたが、実際に来てみると、最初から最後まで密度が高く、来た価値はあったように思う。何より、このような大規模なイベントはどの国でも開かれるわけではなく、日本だからこそ開催できたようにも感じた。長時間歩く体力は必要だが、展示から各国の伝統、建築、夜の演出まで一日で幅広く見たい人には向いており、私は今後もこのような希少なイベントには積極的に参加したいと思った。