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ペトラ遺跡散策(エル・ハズネ・アルダイルなど)

カテゴリ:史跡訪問時期:2019年5月5月の気候: 15.4〜25.8℃ / 降水 6.7mm(雨1日)関連スポット:Petra Visitor Centerシークエル・ハズネNabatean TheatreUrn TombGreat TempleQasr al-Bint - Temple of DusharaAlDayr
ペトラ遺跡散策(エル・ハズネ・アルダイルなど)
アルダイルの大正面

到着日の散策

2019年5月、アンマンのJETT Abdaliバスステーションからペトラ遺跡の近くまでバスで移動した。ホテルに着いた後は、遺跡周辺で有名だというSANABEL Sweets and Bakeriesに立ち寄り、翌日の散策に備えて近くの街を歩いた。

SANABEL Sweets and Bakeriesには、さまざまなお菓子がラップでパッケージングされて並んでいた。その中から、ナムーラというケーキを購入した。ココナッツや刻んだピスタチオが上に載っていて、見た目にも中東らしさがある。ホテルに戻ると、ちょうどアラビア風の休憩所があったので、赤い敷物やクッションに囲まれた場所で紅茶と一緒に食べた。味は素朴だったが、ヨルダンらしさを感じられておいしかった。

ナムーラのケーキ
ナムーラのケーキ
アラビア風休憩所
アラビア風休憩所
バス移動で少し疲れていたこともあり、この日は周囲を散策する程度にした。夜はBukhara Restaurantで、シャワルマとサラダのセットを食べた。おいしく、価格もリーズナブルだったので、移動後の食事として利用しやすかった。食後は近くのライトアップされたモニュメントを眺めた。街中には色とりどりの電飾が渡され、夜の景色は遺跡とは違う雰囲気だった。
シャワルマとサラダ
シャワルマとサラダ
夜の街の電飾
夜の街の電飾

ペトラ遺跡散策

翌日は朝6時くらいに宿を出発し、ペトラ遺跡の入場口まで歩いてたどり着いた。入口へ続く道には木々や旗、吊り下げられた電飾があり、周囲の岩山とは少し違う整った印象を受けた。遺跡の案内施設としてThe Petra Museumの表示も見えていた。広大な遺跡を歩くことになるので、朝のうちに入場口まで来られたのはよかったと思う。

ペトラ遺跡入口
ペトラ遺跡入口

門をくぐった後、あまり馬に乗ったことがなかったが、馬に乗せてもらい少し高い位置から周囲の風景を楽しんだ。自分が乗った馬とは別に、色鮮やかな布を掛けられた馬が同行する人に引かれて岩の間を歩いている場面も見かけた。遺跡の主要な入口として機能してきたシークへ向かって進むと、道は次第に岩壁に挟まれた細い峡谷になる。シークは全長約1.2kmの狭い峡谷で、入口から先の景色を少しずつ隠しながら続いていく。両側の岩肌は茶色や赤みを帯び、空が細く見える場所もあった。

岩道を歩く馬
岩道を歩く馬
岩壁に挟まれたシーク
岩壁に挟まれたシーク
シークを抜けた先で、ペトラ遺跡の最高の見せ場の一つであるエル・ハズネが姿を現した。岩肌を直接掘り込んで造られた神殿で、正面の柱や装飾は精巧に仕上げられている。狭い岩道の先に突然、正面いっぱいに建物が現れるため、実際に歩いてきたことで印象が強くなった。「宝物庫」を意味するエル・ハズネは、ナバテア王国のアレタス4世、在位紀元前9年から紀元40年の霊廟として、紀元1世紀頃に岩壁を彫り込んで作られたと考えられている。宝物庫という通称は、19世紀にこの地に住んでいたベドウィンが、内部に財宝が隠されていると信じたことに由来するという。正面を見上げると、岩山そのものからこれだけの建築を形にしたことが不思議に感じられた。
エル・ハズネ正面
エル・ハズネ正面

エル・ハズネから先へ進む途中、カラフルな敷物を掛けられたラクダが休憩していた。ペトラでは馬やラクダが移動手段として行き交っており、岩と砂の景色の中に鮮やかな色が加わっていた。ちょうど区切りのよい場所なのか、ラクダは何頭かまとまって地面に座り、しばらく休んでいるように見えた。

敷物を掛けたラクダ
敷物を掛けたラクダ

さらに進むと、円形のNabatean Theatreが見えてきた。岩山の斜面を大きくくり抜くように造られた客席と、中央の舞台部分が残っている。ナバテア王国のアレタス4世の時代、紀元1世紀に建てられた劇場で、当初から岩を彫り込んで作られた点がナバテア様式の特徴だという。その後、ローマ支配下で拡張され、最大で数千人規模を収容できたとされる。周囲の岩壁と客席が一体になった構造なので、一般的な石造りの劇場とは異なる見え方だった。

ナバテア劇場
ナバテア劇場

Nabatean Theatreの先では、広大な遺跡の中にGreat Templeの残骸が現れた。1万平方メートルあると言われる場所で、実際の広さは約7560平方メートルとされ、ペトラで最大の独立建造物という。残っている柱や壁、石積みを眺めると、現在は部分的な遺構でも、当初は大きな建物が密集する地域だったことがうかがえる。紀元前1世紀末から紀元1世紀にかけて建設され、宗教施設だったのか、王の迎賓・集会施設だったのか、用途については今も議論があるという。岩山に囲まれた場所に広い建築群があったことを考えると、ペトラが単なる岩壁の墓地ではなく、人が集まる都市だったことを実感しやすい場所だった。

グレート・テンプル遺構
グレート・テンプル遺構

その近くでは、黒と白の子ヤギが仲良く歩いていた。おそらく現地の方の家畜だと思うが、岩石と砂ばかりの環境の中で動物の姿を見ると、張り詰めていた気持ちが少し和んだ。遺跡の建築や岩壁だけでなく、こうした何気ない光景も歩いている間の記憶に残っている。

遺跡を歩く子ヤギ
遺跡を歩く子ヤギ

Great Templeの先は、AlDayrを目指すEd-Deir Trailに入った。岩と岩の谷間にはピンク色の花が咲いていて、かなり久しぶりに花を見た気がした。谷間なので雨が溜まりやすく、草花も育ちやすいのだろうとは思ったが、乾いた岩山の中で花がまとまって咲いている光景は意外だった。道は岩間の細い場所を進むものの、階段などが整備されている区間もあり、思っていたより歩きやすかった。

岩間に咲くピンクの花
岩間に咲くピンクの花
岩の谷間の階段
岩の谷間の階段
少し上っていくと、高い場所から岩と岩の間に延びる道や、その先の山並みを見渡せるようになった。険しい岩肌が重なり、遠くまで同じような色の山が続いている。途中には小さなヨルダン国旗も掲げられており、荒々しい景観の中で目に入りやすかった。歩いている最中は先の距離が分かりにくかったが、上から見ると、自分が岩の間をかなり進んできたことが分かった。
岩山を見下ろす景色
岩山を見下ろす景色
岩壁沿いのヨルダン国旗
岩壁沿いのヨルダン国旗
Ed-Deir Trailの最終地点には、荘厳なAlDayrがあった。エル・ハズネの方が有名だが、ここまで歩いてきた少しの苦労を思うと、この神殿の方が一層素晴らしく感じられた。アルダイルは「修道院」という意味で、正面の幅・高さともにエル・ハズネを上回り、ペトラで最も大きなファサードを持つ建造物とされる。紀元1世紀半ば頃、ナバテアの王オボダス1世を祀る神殿として建てられたと考えられている。後年、ビザンツ時代に内部へ十字架が刻まれたことから、修道院と呼ばれるようになったという。大きな正面全体が岩壁から立ち上がるように見え、長い岩道と階段を越えて来たところで見る価値は十分にあった。
アルダイルの大正面
アルダイルの大正面

目的を達成して引き返すと、帰り道の岩場には小屋のようなものもあった。ここを一つの拠点としている人もいるようで、観光客が歩く遺跡の中に、日常的な活動の場があることが感じられた。行きに見落としていた景色を確認しながら戻れるのも、広いペトラを歩く面白さの一つだった。

岩場の小さな小屋
岩場の小さな小屋

帰り道の途中では、来た時にはあまりよく見られなかった四角いQasr al-Bint - Temple of Dusharaにも立ち寄った。周囲には崩れた石材が広がっているが、正面の壁や門のような構造は比較的はっきり残っている。さらに、門の数が多いUrn Tombにも上って内部の様子を見た。Urn Tombはペトラの「王家の墓」群の一つで、正面に広い前庭を持つのが特徴だという。紀元446年、キリスト教の広がりとともに教会へ転用されたと伝わっている。内部に入ると、砂が独特に変色していて、岩を掘った空間の中にも長い時間の経過が刻まれているように感じた。

カスル・アル・ビント遺構
カスル・アル・ビント遺構
ウルン・トゥーム外観
ウルン・トゥーム外観
ウルン・トゥーム内部
ウルン・トゥーム内部
こうして十分にペトラ遺跡を堪能して街へ戻ると、インディ・ジョーンズの看板を掲げたミニマートを見つけた。遺跡を歩いた後だったので、その看板に気分が上がった。夜は大きめのチキンを食べ、歩いた分のエネルギーを補給した。充実した気分と少し歩き疲れた感覚があり、その日はよく眠れた。
インディ・ジョーンズ店看板
インディ・ジョーンズ店看板
チキンとパンの夕食
チキンとパンの夕食
ペトラ遺跡は、事前に聞いていたよりもはるかに見どころが多く、ヨルダン付近を訪れるなら立ち寄って間違いない場所だと私は思った。観光地としてある意味成熟しており、ガイドが欲しい人は付けられ、人もたくさんいるため基本的には迷いにくい。長い距離を歩くことになるが、エル・ハズネだけでなくアルダイルや周辺の遺構まで見たい人に向いている。
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Urn Tomb