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佐渡金山めぐり(北沢浮遊選鉱場跡・宗太夫坑など)

カテゴリ:史跡・鉱山訪問時期:2025年5月5月の気候: 11.7〜21.4℃ / 降水 173.1mm(雨13.4日)関連スポット:国史跡 北沢浮遊選鉱場跡50メートルシックナー史跡 佐渡金山佐渡西三川ゴールドパーク
佐渡金山めぐり(北沢浮遊選鉱場跡・宗太夫坑など)
緑に覆われた選鉱場跡

新潟市・弥彦村を観光した翌日、新潟港の佐渡汽船ターミナルからフェリーに乗り、早朝の両津港へ向かった。天気が良く、船上から眺める新潟市の街並みも晴れ晴れとしていた。

フェリーから望む新潟市街
フェリーから望む新潟市街

北沢浮遊選鉱場跡

最初に訪れたのは北沢浮遊選鉱場跡。付近まではバスで向かった。佐渡は島らしく坂道や起伏が多いが、途中にはショートカットできる階段もあり、歩くこと自体を楽しみながら目的地に着いた。遺跡は豊かな緑に囲まれ、青空の下にコンクリートの建物が横長に残っている。植物に覆われた壁や、何層にも重なるような構造には独特の雰囲気があり、確かにそのままドラマやアニメの題材に使えそうな存在感だった。天空の城ラピュタのモデルになったともいわれるのも理解できる景観である。今回は昼の訪問だったが、夜にはライトアップされた姿も見られるらしい。

緑に覆われた選鉱場跡
緑に覆われた選鉱場跡

遺跡の対面には、円形の50mシックナーが残っている。採掘した泥状の鉱石から水分を分離する濃縮器で、選鉱場と並ぶ北沢地区の象徴的な構造物になっている。大きく張り出した円形の屋根と柱が緑の中に現れ、施設の規模を実感しやすかった。北沢浮遊選鉱場跡は1937年から1940年に整備され、当時最新技術だった浮遊選鉱を導入して月間5万トンの原鉱を処理し、「東洋一」とも称されたという。2024年に「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録されたが、登録範囲から北沢地区自体は除外されている。ただし、重要文化的景観の構成要素ではある。

円形の50mシックナー
円形の50mシックナー

佐渡金山(宗太夫坑)

北沢浮遊選鉱場跡を見学した後は、佐渡金山へ歩いて向かった。途中で佐渡金山の看板が見えてくると、山の中へ入っていく実感があった。佐渡金山全体には約400年の歴史があり、坑道の総延長は約400kmに達する。まず入った宗太夫坑は、江戸時代に手掘りで開発された坑道である。

佐渡金山の案内看板
佐渡金山の案内看板

宗太夫坑の入口は木材で補強され、内部へ向かって線路のような通路が伸びていた。坑道の中は細長く湿気があり、当時はここに多くの人が入って作業していたのかと思うと、かなり息苦しかったのではないかと感じた。『佐渡金山絵巻』に描かれた採掘作業の様子は、坑道内の人形によって精巧に再現されている。人形が作業する姿から、手掘りで鉱石を掘り進めていた当時の雰囲気を具体的に想像できた。

宗太夫坑の坑道入口
宗太夫坑の坑道入口

出口にある資料館には金の延べ棒が展示されていて、実際に持ってみることができた。予想以上に重く、普段持っているものといえばせいぜいコーヒーカップなどの陶器くらいなので、それとは比べものにならない質量だった。純金そのものの重さを手で確かめられたのは印象に残っている。やはり黄金に輝く金には、単なる展示物とは違う魅力があった。

展示された金の延べ棒
展示された金の延べ棒

佐渡金山(道遊坑)

次に道遊坑へ入った。こちらは明治から平成元年まで使われていた比較的新しい坑道で、明治32年(1899年)に開削された機械掘り坑道である。佐渡金山の近代化に大きく貢献した場所で、宗太夫坑とは違う時代の採掘の姿を見られる。坑道の跡の周辺には赤い高任立坑が残り、木々の中で錆びた鉄骨が高く組み上がっていた。立坑という設備が、鉱山を地中深くへ広げていったことを感じさせる構造物だった。

赤い高任立坑
赤い高任立坑

道遊坑の象徴である道遊の割戸も見学した。巨大な金脈を掘り進めた結果、山頂部が幅約30m、深さ約74mにわたってV字に割れた江戸時代の露天掘り跡である。緑の山の中に岩肌が大きく二つに分かれて見え、看板の向こうに残る地形からも掘削の規模がうかがえた。明治以降はこの割戸の下部でも大規模な採掘が続けられたという。

道遊の割戸と山並み
道遊の割戸と山並み

周辺には三菱のマークが入ったさまざまな工作機械も展示されていた。色鮮やかなトロッコもあり、これを使って坑道内へ鉱石などの荷物を運んでいたのだろうと想像できた。道遊坑の入口は石垣と木材に囲まれ、暗い坑道の奥へ線路が続いている。展示自体は地味なものが多いが、江戸時代から近代までの重要性や、実際の作業の様子を学べる体験だった。

坑道脇の工作機械とトロッコ
坑道脇の工作機械とトロッコ
道遊坑の坑道入口
道遊坑の坑道入口

昼食・西三川ゴールドパーク

ちょうど昼時になったので、金山付近の街へ移動した。この日は空いている店が少なかったが、なんとか見つけた古民家食堂 持田家で海鮮丼定食を食べた。古民家ならではの落ち着いた雰囲気の中で、新鮮な魚介が載った海鮮丼を味わうと、鉱山見学の合間の食事としてひときわおいしく感じられた。

持田家の海鮮丼定食
持田家の海鮮丼定食

その後は佐渡西三川ゴールドパークへ向かい、砂金取りを体験した。ここは佐渡最古と伝わる西三川砂金山の跡地に建つ体験型施設で、平安時代の『今昔物語』にも記載があるとされる。佐渡金山より約500年早い時代から砂金が採取されていた場所で、緑色の道具で水中の砂利を揺すりながら砂金を探す。採れた砂金はその場でアクセサリーに加工することもできる。私は体験に夢中になって撮影できなかったが、佐渡の魅力は金だけでなく、島の自然や魚介類にもあると感じた。最後は上越市行きのフェリーに乗り、この日の旅を終えた。史跡と体験を通して鉱山の歴史をたどりたい人に向いた一日だった。

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