長崎市の観光を終え、電車で佐世保市へ向かった。今回は駅構内で自転車を借りられればサイクリング、台数が足りなければバスで九十九島パールリゾートへ行くつもりだった。自転車は少ないと聞いていたので難しいと思っていたが、天気があまり良くなかったためか十分に残っており、電動自転車で九十九島を巡ることにした。
最初に向かったのは船越展望台だった。駅を出て海岸線沿いを進み、途中から少し急な山道を登る。道路はきちんと整備されており、電動自転車のおかげで疲れはほとんど感じず、あっという間に到着した。九十九島は「九十九」という名前の通り、数えきれないほど多い島を意味し、実際には208の島があるという。ほぼ全域が西海国立公園に指定され、島の密度は日本一といわれている。船越展望所は九十九島八景の中で最も標高が低く、島々を最も近い距離から眺められる場所だという。海の上に大小の島が連なり、近くの緑から遠くの島影まで見渡せた。
展望台には半円状の案内板もあり、目の前に広がる島々にそれぞれ名前が付いていることに驚いた。昔からこの地域にいる人なら、島の形を見て名前で呼べるのかもしれない。案内板と実際の景色を見比べながら眺めると、単なる海の景色ではなく、数多くの島を一つずつ確認していくような面白さがあった。

次はハンバーガーミュージアムへ向かったが、30分程度の待ち時間があるとのことだった。その時間を使って、さらに上の方にある石岳展望台へ向かった。石岳展望台は標高191mの石岳山頂にあり、九十九島と佐世保港を360度のパノラマで見渡せる場所で、ハリウッド映画『ラストサムライ』の冒頭シーンもここで撮影されたという。船越展望台より高い位置にあるため、見える景色も異なっていた。山の中の案内板には九十九島の眺めや映画に関する説明が掲示され、周囲は木々に囲まれていた。船越では島に近い感覚があったが、石岳では島々と港を広く見渡す印象だった。



腹ごしらえを終えた後は、少し遠くにある展海峰へ向かった。標高165〜166mに位置し、九十九島八景の中でも佐世保市内で一番人気の展望台とされている。途中で電動自転車の電池が少し気になったが、この距離であればまだ大丈夫そうで安心した。到着すると、展望台脇に九十九島を教材に唱歌「美しき天然」を作曲した田中穂積の銅像があり、「九十九詩人」の歌碑も立っていた。歌碑は2011年に建立されたもので、阿久悠作詞、羽田健太郎作曲と記されている。実際に歌詞を読むと、九十九島の素晴らしさを歌にしたくなる気持ちも少し分かった気がした。
展海峰からは、船越展望台や石岳展望台とはまた違った九十九島の景色が広がっていた。比較的大きな島がきれいに見え、海と島の配置を広く眺められる。場所によって見える島の重なり方が変わるため、三つの展望台を回っても同じ景色にはならなかった。


海沿いには広い舗装された空間があり、ハート型の飾りを使った「LOVE SASEBO」のオブジェや、遠くの山と海を眺められる場所もあった。佐世保市は人口がかなり少なくなっていると聞いたが、これほど素晴らしい自然や佐世保バーガーのようなブランドがあることを考えると、もったいないように感じる。佐世保を訪れるのは今回で2回目だったが、今後も何度でも来たいと思える街だった。そのことを考えているうちに電車の時間になり、佐賀市へ向かった。

