wanderworld

寸又峡へのサイクリング(夢のつり橋・大間ダム・飛竜橋)

カテゴリ:自然・温泉訪問時期:2021年6月6月の気候: 16.2〜24.7℃ / 降水 441.8mm(雨18.4日)関連スポット:千頭駅寸又峡寸又峡温泉露天風呂美女づくりの湯寸又峡 夢のつり橋寸又峡渓谷尾崎坂展望台飛龍橋
寸又峡へのサイクリング(夢のつり橋・大間ダム・飛竜橋)
木立越しに見る夢のつり橋の遠景

2021年6月上旬、よい景色を見て温泉にも入りたいと思い、自転車で寸又峡まで走ることにした。普段は島田市から川沿いを上り、川根温泉でゆっくりしてから戻ることが多いが、今回はそこを大きく越えて寸又峡まで向かった。勾配はそれなりにあったものの、天気は悪くなく、途中の千頭駅まではスムースに到着した。

千頭駅では、きかんしゃトーマスの実物展示が行われていた。子供の頃に見ていたトーマスの姿を思い出し、懐かしい気分になった。大井川鐵道では2014年からきかんしゃトーマス号の運行を始めており、運行日には千頭駅構内で「トーマスフェア」が開催され、ヒロやジェームスといった実物大の蒸気機関車が展示されている。駅のホームの向こうに、赤や緑の車体が並んでいる様子は、山間の駅の風景の中でも目を引いていた。

千頭駅の蒸気機関車
千頭駅の蒸気機関車

千頭駅からさらに上っていくと、赤い鉄骨製の寸又峡橋が見えてきた。山の緑を背景にした赤い橋は道中の目印になり、橋を通り抜けると寸又峡温泉の看板が見えてきた。温泉街の入口には木造の案内塔や駐車場があり、周囲を山に囲まれた静かな場所に集落が続いている。ここで自転車を降り、徒歩で展望台の方へ向かうことにした。

赤い鉄骨の寸又峡橋
赤い鉄骨の寸又峡橋
寸又峡温泉の入口
寸又峡温泉の入口
最初の見どころは、寸又峡のシンボルでもある夢のつり橋だった。大間ダム湖に架かる全長90m、高さ8mの木製の吊り橋で、実際に渡ると橋の幅が少し狭く、足元の揺れもあってスリルがある。旅行サイトの「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊り橋10選」に選ばれているというのも、この独特の渡り心地を考えると納得できる。橋の中央で女性が祈ると恋が成就するという言い伝えもある。木々の間から橋を眺めると、淡い色の湖面の上を細い通路が渡っているように見え、周囲の濃い緑との対比が印象に残った。
木々に囲まれた吊り橋
木々に囲まれた吊り橋
夢のつり橋の入口
夢のつり橋の入口
木立越しに見る夢のつり橋の遠景
木立越しに見る夢のつり橋の遠景
夢のつり橋を渡りながら右手側を見ると、山の木々に挟まれるように大間ダムが見えた。ダム湖の水は緑がかった色をしており、両岸の山が水面近くまで迫っている。大間ダムは1938年、昭和13年に竣工した重力式コンクリートダムで、土木学会の「日本の近代土木遺産」にも選定されている。吊り橋の高さや揺れに気を取られながらも、橋上から見えるダム湖の景観はこの場所ならではのものだった。
山間に広がる大間ダム湖
山間に広がる大間ダム湖

橋を渡り終えると、遊歩道のような道として木こり橋が続いていた。木々の中を進む細い通路で、途中には坂道や階段もある。少し坂を上ると、寸又峡渓谷尾崎坂展望台にたどり着いた。そこには木材を切り出していた時に使われていたと思われるトロッコが展示されており、山の中でかつて林業に使われていた車両を間近に見ることができた。展望台には自動販売機もあり、ここで水分を補給した。

木々の中の木こり橋
木々の中の木こり橋
林業用の展示トロッコ
林業用の展示トロッコ
遊歩道の途中には、橋の名前を示す木製の案内もあり、木々に囲まれた道の雰囲気を残していた。そこから南下すると飛竜橋にたどり着く。飛龍橋は寸又峡渓谷に架かる高さ約100mのアーチ式鉄橋で、かつては木材運搬用の森林鉄道が通っていたという。高い位置にあるため、橋からは先ほど渡った夢のつり橋を遠く低い場所に見ることができる。渓谷の斜面と川の流れを見下ろす眺めは、湖面のすぐ上を歩く夢のつり橋とは違った迫力があった。
渓谷遊歩道の橋案内
渓谷遊歩道の橋案内
渓谷を見下ろす山並み
渓谷を見下ろす山並み
散策を終えて温泉街へ戻ると、昼食に紅竹食堂で渓流そばを食べた。そばにはヤマメのから揚げや山菜などが入っていて、一般的なそばとは具の構成が違う豪華な一杯だった。山を歩いた後だったこともあり、ここならではの味を楽しめて、来たかいがあったと感じた。

紅竹食堂は寸又峡温泉街の老舗食堂の一つで、地元で獲れる川魚や山菜を使った郷土料理を提供しているという。サイクリングで消費した体力を、こうした山の恵みで補えるのもこのコースの魅力だと感じた。器の中には大きな葉や揚げ物、山菜が盛られ、別添えの薬味もあり、見た目にも山間の食事らしさがあった。

ヤマメと山菜の渓流そば
ヤマメと山菜の渓流そば

食後は、近くにある日本カモシカ像と自転車を一緒に撮影した。像の後ろには「21世紀に残す日本の自然100選」と書かれた寸又峡の案内があり、温泉街の中でもこの渓谷の自然を意識できる場所だった。その後、寸又峡温泉露天風呂美女づくりの湯につかり、サイクリングと散策で疲れた体を休めた。温泉の近くには小川も流れており、湯から出た後はさっぱりした気持ちになった。

日本カモシカ像と自転車
日本カモシカ像と自転車

帰路は、行きに上ってきた道を単に下っていくだけなので、自転車にとっては快適だった。途中でブレーキの調子を確かめながら走り、今回も安全に帰宅した。上りの負担はあるが、景色、吊り橋、渓谷、食事、温泉を一度に楽しみたい人には、自転車で訪れる行程として印象に残る場所だと思う。

温泉街を流れる小川
温泉街を流れる小川
地図を見る