2021年7月下旬、天気の良さそうな富士山周辺を自転車で巡るため、山中湖村・忍野村・富士河口湖町へ出かけた。民宿は山中湖の東側に取り、まず平野の浜から、雪のない夏の富士山を山中湖越しに眺めた。

快晴の中で向かった本栖湖は、富士五湖の中で最も西側にある湖だ。湖仙荘では名物の鹿肉カレーを食べた。香りと旨味が凝縮されたカレーにサラダや果物などが付いたセットで、長時間のサイクリングでカロリーを消費した後には、ボリュームのある定食がありがたかった。本栖湖は富士五湖で最も水深が深く、澄んだ濃い青色の湖面が特徴である。千円紙幣の裏面の富士山は、写真家・岡田紅陽が本栖湖畔で撮影した「湖畔の春」がモデルとされ、逆さ富士の名所としても知られている。

湖仙荘の駐車場から見た景色は、観光名所というわけではないが絶景だった。色とりどりの花々と緑の草々、その向こうの本栖湖と山並みを一度に見ることができ、食後に眺める景色として印象に残った。

本栖湖を反時計回りに走って山中湖側へ戻り、忍野八海に立ち寄った。富士山の雨や雪解け水が20年以上かけて地下でろ過され、湧き出した八つの池の総称で、出口池、お釜池、底抜池、銚子池、湧池、濁池、鏡池、菖蒲池から成る。1934年に国の天然記念物、1985年に名水百選、2013年には世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産に登録されている。

清らかに流れる川のそばを歩き、案内のあるお釜池や、透き通った水面を眺めた。水車小屋や周囲の古い建物にも風情があり、歩いているだけでも見どころが途切れない。観光客で最も賑わう中池は売店に隣接した人工池で、実は八海には含まれていないという点は、現地で知っておきたいところだった。








宿に戻るとすがすがしい気分で、ぐっすり眠れた。翌日は山中湖交流プラザきららに立ち寄ると、自転車の世界的な大会が開かれているようで、自転車の通り道まで出ると選手たちがものすごい速さで駆け抜けていった。有名選手も見ることができ、得をした気分になった。

富士五湖と忍野村の風情ある景色に加え、最終日に世界大会も見学できた充実した旅で、またよい季節に自転車で訪れたい。