2019年3月、ヴィエンチャンからバスでヴァンヴィエンへ移動した。小さな町だが、カルスト地形の山々に囲まれ、ブルーラグーンや洞窟など自然を歩いて楽しめる場所だった。
街中を歩いている途中、ミャンマーのマンダレーで出会った2人の旅人と偶然再会し、お互いに驚いた。近くのレストランで、ひき肉を使ったスパイシーな肉サラダのラープを食べながら、互いの近況を報告した。ラープはラオスの国民食とされるひき肉のハーブサラダで、鶏・豚・牛などのひき肉にミントやパクチー、レモングラスを合わせ、ライムや魚醤で味付けする料理だという。祝いの席にも欠かせない縁起の良い料理で、もち米のカオニャオと一緒に食べるのが定番とされている。再会を楽しみながら食べたこともあり、印象に残る食事になった。

ブルーラグーンとタム・プーカム洞窟
翌日はブルーラグーンへ向かった。途中に金色のカニのモニュメントがあり、なぜここにカニなのかと意外に思ったが、調べてみると、ブルーラグーンのすぐ上にある洞窟は別名「黄金のカニの洞窟」と呼ばれ、珍しいカニが生息しているとのことだった。モニュメントの意味が分かり、納得した。

ブルーラグーンはヴァンヴィエン中心部から車で30分ほどの場所にある湧水池で、実際には周辺に複数のブルーラグーンが点在している。水は透明度が高く、エメラルドグリーンの中を魚が泳いでいた。気持ちよさそうに泳ぐ人が多く、私も入ってみたが、水は思ったより冷たかった。それでも、木々に囲まれた森林の中で泳ぐ感覚は気持ちがよかった。飛び込み台やロープスイングも設置されているようで、水辺には遊んでいる人の姿があった。

少し離れた場所から見ると、ブルーラグーンは水面の色や周囲の木々を含めて、先ほどとは違う印象になった。近くで泳ぐ場所としてだけでなく、周辺の風景を眺めながら過ごせる場所でもある。

泳いだ後は、ブルーラグーンのすぐ上の斜面にあるタム・プーカム洞窟へ向かった。長い年月をかけて変形した岩や、鍾乳石、石筍のような造形が内部に続いている。洞窟の奥まで探検する場合はヘッドランプを借りることもできるようだが、内部は暗く、岩の形を見ながら進むだけでも雰囲気があった。

深いところには、金色の屋根が付いた小さな祭壇があり、暗い岩場の中で特に印象に残った。タム・プーカム洞窟には黄金の仏像が安置されているとされており、自然の造形だけでなく、信仰の場としての一面も感じられた。

洞窟を出て少し歩くと、金色の仏像とカニの絵があった。洞窟やカニのモニュメントと合わせて、この場所らしさが表れているように思えた。

Nam Xay Viewpoint
その後はNam Xay Viewpointへ登った。登山口から頂上までは30分ほどで、急な登山道を歩く必要がある。頂上にはラオスの国旗が掲げられており、風を受けてはためく旗の向こうに、山と田園が広がっていた。

なぜか崖の上には黒いワイルドなバイクが設置されていた。Nam Xay Viewpointでは、頂上に置かれたビンテージ風のバイクと国旗にまたがって写真を撮るのが定番になっているという。岩の上からは遠くの山々を見渡せ、石灰岩の山並みと谷の風景から、ラオスの自然の広がりを感じた。

別の角度に目を向けると、重なり合う山々がさらに雄大に見えた。展望台からはカルスト地形の山と田園風景を360度見渡せるとされており、同じ場所でも見る方向によって印象が変わった。

展望台には簡素な小屋があり、ハンモックに座って休むことができた。急な道を登った後だったので、屋根の下で景色を眺めながら体を休められるのはよかった。

反対側には水田地帯が広がっていた。山の緑と区切られた田畑が並ぶ風景には、観光地の設備とは違う、この地域の日常に近いラオスらしさがあった。

街に戻ってナム・ソン橋へ
この日はここまでで街に戻り、おいしいサンドイッチを食べて終えた。自然を歩いた後だったので、手軽に食べられるサンドイッチがちょうどよかった。

翌日は、マンゴースムージーの有名店であるHappy Mangoへ行った。野菜のあんかけそばとマンゴースムージーを注文し、料理はおいしかった。マンゴースムージーは噂にたがわず絶品で、鮮やかな色と濃い果実感が印象に残った。

その後はゆっくり過ごし、夕焼けの中で川にまたがるナム・ソン橋の風景を眺めた。川沿いには橋や建物が並び、空が淡い色に変わる時間帯は、日中の山歩きとは違う静かな雰囲気だった。ナム・ソン川は町を流れ、周囲のカルスト地形の山々とともにヴァンヴィエンを代表する景観をつくっている。カヤックやチュービングなど、川を使ったアクティビティの拠点でもあるという。

橋の上から川面を見ると、船が浮かんでいた。水面を進む船と薄暗くなった山の輪郭が重なり、町中にいながら落ち着いた眺めを楽しめた。

ヴァンヴィエンは、透明度の高い水や洞窟、山と田園の景色をまとめて楽しみたい人に向いている。ブルーラグーンは複数あるものの今回は全部を回れていないので、次回はほかの場所にも行ってみたい。